研究課題/領域番号 |
04306009
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 眞一 筑波大学, 教育学系, 助教授 (10220469)
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研究分担者 |
村上 征勝 統計数理研究所, 助教授 (00000216)
住 明正 東京大学, 気候システム研究センター, 教授 (10179294)
澤田 芳郎 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (30206023)
小林 信一 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (90186742)
金子 元久 東京大学, 教育学部, 助教授 (10185936)
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キーワード | 大学 / 学術 / 研究 / 政策 / 高等教育 / 人材 |
研究概要 |
大学は、学術研究とくに基礎研究実施の中核的機関として位置づけられている。しかし、その実際の役割については、必ずしも充分に研究されているとは言いがたい。とりわけ昨今、高等教育の大衆化に対応して、大学の自己評価、大学設置基準の大綱化が導入される中で、教育とならぶ大学の役割である「研究」に関する総合的理解の不足は、今後のあるべき大学の姿を構想する際の大きな障害となるものである。本研究は、そのような事情を踏まえつつ、大学の研究機能に着目して、これまでの歴史、現状分析および将来展望を通じて、政策的にも意味のある調査研究を行うように務めてきた。 本年度に行った研究は、おおむね以下の通りである。 第一に、我が国の大学の研究機能について、その明治期から今日までの発展過程、果たしてきたあるいは果たすべきと認識されてきた役割等を体系的に整理すべく、文献・資料を収集した。また、研究会を本年度4回開催し、種々の社会変化の中で、大学の研究機能の変容、それに係る問題点などを、学問領域別にも着目して分析した。さらに、数大学を訪問し、関係者からの意見聴取などを通じて、現実の問題構造の把握につとめた。 第二に、欧米諸国における大学の研究機能について、文献・資料を収集し、我が国の大学の研究機能の研究にとって参考とすべき諸点について比較調査を行った。その結果、欧米各国において、基礎研究の振興、研究人材の養成、経済・産業との関連性などがいずれも大きな関心事となっていることが分かった。 第三に、我が国では理工系離れの問題や大学の研究環境の劣化という問題があるが、我が国のみならず、各国においても、大学セクターに対する資源配分の不足を背景として、研究評価、研究の社会的有用性なども含めて大学の研究機能の在り方に直接関わる諸問題が山積していることが分かった。
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