研究概要 |
国内外における生態学を取り巻く情勢,生態学の流れ,現代的課題,共同研究の必要性について検討した. (1)生態学の現状と展望 生態学における現代的課題,熱帯における生態学研究の現状,species diversityをめぐる諸問題,生態学におけるモデリング,生態学の応用,生態学と環境問題との関わりなどについての意見交流を行なった後,biodiversity問題にたいする生態学的なアプローチについての議論を集中的に行なった.生態学だけでなく,分類学,分子生物学,系統学,生理学などの研究者を交えて議論を進め,この分野における研究の現状を分析すると共に,今後の研究の方向性について検討した.同様の問題意識をもって,京都大学生態学研究センター,重点領域研究(「地球共生系」(代表者川那部浩哉),SCOPEが国際ワークショップ「Symbiosphere:Ecological Complexity for Promoting Biodiversity」の開催を企画していたので、その準備会に参画し,その性格づけと人選,今後の方針などについての検討を行なった.ワークショップは12月17-19日に京大会館で,国外から3名,国内から11名の招待講演者を交えて開催された. (2)共同研究の必要性と推進 共同研究の必要性とその組織論,共同研究の推進に生態学研究センターが果たすべき役割,国際共同研究の現状と今後のありかた,野外における長期継続共同研究の候補地,共同研究を推進するための財源,共同研究における大型機器の利用,共同研究の推進と学会等の組織との関わり,IGBPの進め方などについて,意見交流を行なった後,国立生態科学研究所設立準備小委員会の活動と関連させながら,生態学会がまとめた「国立生態学研究所設立第7次案」の検討を集中的に行なった.それは上に述べた問題の多くがこの生態科学研究所の設立と直接的に結びついているからである.生態学会がまとめた第7次案の大方について賛意を表すと共に,いくつかの修正意見を提出し,了承を得た.
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