研究課題/領域番号 |
04401010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 日出男 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90013284)
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研究分担者 |
久留島 典子 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70143534)
宮崎 勝美 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (60143533)
鈴木 圭吾 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (80013267)
保立 道久 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (70092327)
加藤 秀幸 東京大学, 史料編纂所, 教授 (70013266)
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キーワード | 肖像画模写本 / 集団肖像画 / 歴史図像学 / 遺像(いぞう) / 寿像(じゅぞう) |
研究概要 |
1光ファイリングシステムの導入は1993年2月になったので、研究計画第二年度からその本格的な利用を行なうことになる。 2史料編纂所に収集・蓄積されている800点以上に及ぶ肖像画模写本の調査については、約三分の一程度済ますことができた。また、その4×5フィルム(モノクロ)による写真撮影と焼き付け(四切引伸と密着写真)は完了した。次年度以降で台紙に四切引伸写真を貼って順次利用可能にしていく予定である。 3日本全国の地方史誌類(県・市・町・村史など)に掲載・利用されている肖像画についての情報をカードに取って蓄積する作業は、全体のほぼ六割が終わった。次年度において完了する予定である。また、肖像画を掲載している美術書・図録類の収集も、十分ではないが、ある程度行なうことができた。次年度以降に、本格的に取組む予定である。 4青森・岩手・宮城・新潟・静岡・滋賀・兵庫・山口・長崎・佐賀・熊本の各県、及び大阪・京都府などに出張し、肖像画についての情報入取に努めた。その結果改めて確認できたことは、(1)中世・近世肖像画の総数は恐らく数十万点に達するであろうこと、(2)市場に流れ出ることは少なく、しかるべき所に遺存していること、(3)したがって、何次にもわたる調査を継続していれば、その遺存状況の全体が把握できるようになるであろうこと、などである。 5図像学関係の文献、とくに肖像画に関する研究を検討することによって、肖像画分析の方法論を考えた。とくに、日本における集団肖像画の成立・展開が重要な課題であることを確認できたのは大きな収穫であった。また、肖像画を大量観察することによって、多彩な歴史図像学的分析の可能性が見えてきた点も収穫であった。
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