研究課題/領域番号 |
04401013
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小松 和彦 大阪大学, 文学部, 助教授 (90111781)
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研究分担者 |
福永 伸哉 大阪大学, 文学部, 助手 (50189958)
平 雅行 大阪大学, 文学部, 助教授 (10171399)
東野 治之 大阪大学, 教養部, 助教授 (80000496)
長山 泰孝 大阪大学, 教養部, 教授 (50029617)
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キーワード | 葬制 / 古墳 / 宗教 |
研究概要 |
本年度は研究の基礎となる資料収集とその整理に重点をおいた。とくに古代葬制に関連する考古学関係の発掘調査報告書を中心として文献史学、人類学の関連研究の資料、図書の収集に努めた。備品費の多くはその購入費に充当した。本年度はそれらの検索や整理に多くの時間をさいたため、本格的な分析と考察は次年度におこなうこととなった。 本研究の活動の大きな柱である考古学分野については来年度の発掘調査の対象となる遺跡を選定する作業をおこなった。具体的には夏期におこなった踏査の成果を踏まえて対象地域を京都府南部の乙訓地域とし、3月には候補である長岡京市稲荷塚古墳の墳丘測量調査を実施した。この地域は首長墓と地域内の政治的動向の関連を探るには好適なフィールドであり、葬制の政治的側面の研究にとって有効なケーススタディをおこないうる。測量調査の結果によれば、稲荷塚古墳は古墳時代中期後半から後期初頭にかけての築造と推定されるが、この時期は当地域の首長墓系譜の研究の中では最も研究の遅れている部分である。地権者の同意が得られれば、来年度は墳丘構造や埋葬施設を解明するための発掘調査を実施する予定である。 本年度は資料の整理に予想以上の時間をさいたため、各研究分野の分担者間の討論などが十分行えなかったのは今後の反省点である。来年度は資料の分析と共同研究のための論点を絞り込んで相互の議論を深めて行くことを課題としたい。
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