研究課題/領域番号 |
04401018
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郡司 篤晃 東京大学, 医学部(医), 教授 (40075297)
|
研究分担者 |
鈴木 洋児 学校法人後藤学園, 講師
川久保 清 東京大学, 医学部(医), 助教授 (30152929)
|
キーワード | ベッドレスト / 最大酸素摂取量 / 左心室拡張末期径 / 起立性循環耐容能 / 皮質骨 / HDL-コレステロール / 最大膝伸展筋力 / 血糖 / 血しょうインスリン値 |
研究概要 |
平成4年8月6日から31日に、平均22才の男女10人(内1人は生活を共にする)を被験者に東京都大田区のM総合病院の入院病室3室をかり、20日間のベッドレスト実験を実施した。測定項目は(1)形態、(2)血液検査、(3)尿検査、(4)生理的検査(安静時及び運動時)、(5)食事調査、(6)心理検査、(細目及び測定方法は省略する)。 結果:(1)最大酸素摂取量は約13%減少し、ベッドレスト後9週間でほぼ元の水準に回復した。(2)左心室拡張末期径は約8%程度減少したが、回復は速かった。(3)起立性循環耐容能は約60%減少するが、回復は速かった。(4)最大下運動中の1回拍出量と換気量の有意(p<0.05)な減少があったが、9週間後に回復した。(5)基礎代謝測定時の心拍数は約20拍、拡張期血圧は約12mmHg上昇したが、9週後回復した。(6)血小板、ヘモグロビン、赤血球は著しい変化は無かったが、白血球は約15%程度減少したものの、回復は比較的速かった。(7)皮質骨が男で約5%程度減少した。(8)総コレステロールに変化がなかったが、HDL-コレステロールが約14%減少し、遊離脂肪酸は約95%及び血中トリグリセライドは約78%液増加し、血しょうノルエピネフリンは約39%減少したが、9週間後には回復した。(9)空腹時糖負試験の2時間血糖/血しょうインスリン値は有意(P<0.01)に低下したが、回復は速かった。(10)体重は約2Kg、最大膝伸展筋力は約20%各減少したが、尿中窒素は維持され、9週間後いずれも回復した。(11)飲水量はほぼ3日間の周期で増減しながら、全体的に漸減傾向を示し、尿量もほぼ同じ傾向であったが、血しょうレニンは変化がないのにアンジイオテンシンIIは約19%減少した。(12)ベッドレストの10目前後から精神的無気力性が認められ、“このままずっと寝ていてもいい"と思う人が大部分を占めた。このような得られな結果は現在詳細に検討されており、平成5年度実施予定のベッドレスト研究に生かされる。
|