研究課題/領域番号 |
04401018
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
郡司 篤晃 東京大学, 医学部(医), 教授 (40075297)
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研究分担者 |
鈴木 洋児 学校法人後藤学園, 講師
川久保 清 東京大学, 医学部(医), 助教授 (30152929)
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キーワード | ベッドレスト / 骨代謝 / 筋代謝 / 起立性環調節耐容能 / 有酸素的体力 / 心臓血管系 |
研究概要 |
20日間のベッドレスト実験で新たに得られた結果は次の通りである。 (1)プラスマ量はベットレスト中仰臥位ペダリング運動を実施した群では寝たきりの群より減少程度が小さかった。(2)体重は、均約2Kgに低下した。(3)水分摂取量は、急速に減少するものの、10日で最低値になり、増加傾向に転じ、18日目から再び急減少した。(4)24時間蓄尿量は、9日目の急速に減少しその後わずか増加しほぼ一定値になるが、15日目に突然急増し直ちに急速な減少に転じ18日目で最低になりほぼその低い水準を維持した。(5)アンジオテンシンIIは10日目で最も高く、その後減少し、20日目でベッドレスト前より約-19%となった。レニンも同じ様な傾向を示したが、ベッドレスト前の水準以下に減少しなかった。(6)基礎代謝測定時の空腹時血糖は20日目で最大値を示したが有意差を示さなかった。しかし、インスリンは、7日目でピークを示しその後急速に減少したがなおの20日目でベッドレスト前より高かった。血糖/インスリンは10日目で最低になりその後漸増するが20日目でも元の水準に戻らなかった。(7)経口糖負荷試験の120分血糖値とインスリンは、20日目でベッドレスト前より高くなった。120分時の血糖/インスリンは20日目低くなった。(8)基礎代謝測定時のHDL-Chは減少し、遊離脂肪酸とトリグリセライドは増加した。(9)基礎代謝測定時のノルエピネフリンは、減少した。(10)最大酸素摂取量は男女共有意に減少した。(11)運動の機械的効率(delta effciency)は、男で増加したが女で有意差を認めなかった。(12)3強度の標準化した最大下運動中の1回心拍出量は、椅座位でも仰臥位でも減少する傾向にあり、いくつかの強度で有意差を認めた。(13)下肢の総合筋力、握力、腕屈筋力は男女ともそれぞれ低下した。下肢筋郡の動的筋力(スクワット)も有意に減少した。下腿持久力の減少と、その運動後充血の減少が認められた。(14)超音波法による筋の厚さは、GastrocnemiusとQuadricepsで有意な減少を認めた。(18)Dexa法による下肢筋群の量は、減少し、CT法による大腿筋横断面積は男女とも減少し、伸展筋群での減少は大きかった。(19)MRI法により下肢を2cm間隔で断面測定し、腓腹筋内側、外側、ヒラメ筋、前脛骨筋の筋量はそれぞれ男女とも有意に減少した。尚、1993年度に実施した20日間のベッドレスト実験の結果は一部分析中である。
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