研究課題/領域番号 |
04401019
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
応地 利明 京都大学, 文学部, 教授 (60024212)
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研究分担者 |
青木 伸好 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (30067631)
足利 健亮 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (90026823)
山崎 孝史 京都大学, 文学部, 助手 (10230400)
金田 章裕 京都大学, 文学部, 助教授 (60093233)
成田 孝三 京都大学, 文学部, 教授 (10047037)
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キーワード | 比較 / 地域 / 言語学 / 人文地理学 / 重層的諸単位 / 準拠枠 / 景観 / 文化領域 |
研究概要 |
平成4年度は3か年の研究計画の初年度にあたるので、〈単なる「見比べ」に堕することなく、「比較」という手法を地域間に適用していくにあたっての間題はなにか〉を中心に研究した。その際に重視した観点と具体的な研究活動また実績の概要は、以下の2点にまとめられる。 I「比較」という手法の定立によって成立している分野に言語学がある。本年度は言語学研究者との研究会を2回開催し、(1)言語学と人文地理学の両分野において「比較」という手法がもつ意味の相同性と相異性(2)人文地理学において「比較」を生産的におこなうにあたっての問題点の両点について共同討議した。その結果、言語学における「比較」が、(ア)音素から始まり語、文節そして文へと至る重層的語単位の存在に立脚していること、(イ)検出されたこれら諸単位相互の言語間比較という「比較」のための対象と準拠枠とを明確にもつことの2点が、人文地理学との相異性の最たるものであることが了解された。地域間比較においても前記(ア)・(イ)をいかにおこないうるかという問題の検討が人文地理学においても必要である。そのためには次の二段階論的接近が必要と考えられる。第1は、こうした重層的諸単位の検出は地域よりも景観においてより容易におこないうるであろうから、当面は景観を対象としてこの研究をおこなうこと。その上に立って地域と景観との関係の新たな角度からの検討をおこない、地域比較の手法を考研していくことが求められる。 II日本を対象とする地域比較の重要な問題として、日本の内部における文化領域の設定し比較がある。日本という独自性をもつエリア内にはいわゆる琉球、西日本、東日本という3つの文化領域が存在する。この3文化領域の相互比較から日本という全体的なエリアの成立と形成を説明するという問題意識から、本年度は琉球をいかなる文化領域として措定しうるかという主題のもとに南西諸島において調査研究を実施した。
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