研究課題/領域番号 |
04402001
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 孝明 京都大学, 理学部, 教授 (70026110)
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研究分担者 |
国分 寛司 京都大学, 理学部, 講師 (50202057)
神保 道夫 京都大学, 理学部, 教授 (80109082)
岩崎 敷久 京都大学, 理学部, 教授 (70027374)
平井 武 京都大学, 理学部, 教授 (70025310)
渡辺 信三 京都大学, 理学部, 教授 (90025297)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 双曲型方程式 / 確率微分方程式 / 流体方程式 / 可解格子模型 / 力学系 / カオス / 解空間の構造 / 計算機支援証明法 |
研究概要 |
数理科学の微分方程式の解及び解空間の構造の研究が目的であった。(1)双曲型偏微分方程式に関して初期値問題の適切性のための実効的双曲型の特徴づけを進めて一般化するために、3重特性根のまわりでの陪特性曲線の構造や挙動と、その曲線に沿った解の特異性の伝播を調べた。(2)確率微分方程式の解に対としてのDonskerのデルタ関数のWiener chaosによる展開について研究した。特に熱核をガウス核から出発して構成するLevi-sumの方法を用いて、各階数のL^2-核の構成を行った。これは一般化されたLevi-sumが、Wiener chaosの枠組でのすべての階数への拡張である。(3)可解格子模型における状態空間すなわちハミルトニアンの固有グエクトルのなす空間を量子群の表現空間としてとらえ、相関関数や形状因子に具体的表示を与えるという新しい方向の研究を行った。殊に典型的な6頂点格子模型に対して頂点作用素を用いてある有理型関数の多重積分の形で表示できた。また現実の物理系のように境界のある場合には、あるスピンモデルに対して相関関数・形状因子がみたすのは、境界で反射のあるqKZ方程式であることを示した。 (4)力学系の分岐問題、カオスの出現に関して研究し、退化したヴエクトル場からカオス的アトラクターの分岐が起ることを示した。即ち、3重の零固有値を持つ退化した特異性は、小さな摂動により、その特異性の近傍に、幾何的ローレンツ・アトラクターが出現することを示した。(5)偏微分方程式系の解空間の構造の研究は、分岐現象の解明を含まねばならないが、自明解からの最初のパラメーターに対して局所的な定常及びHopf分岐を除いて未解決である。パラメーターの動きに従った、線形化方程式のスペクトルの追跡は、常微分方程式系に帰着できる場合ではあるが、計算機支援証明法として、始めて定式化し、解析できるようになった。そのため区間演算のソフトウェアーも作製した。
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