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1992 年度 実績報告書

電子状態の3次元測定

研究課題

研究課題/領域番号 04402008
研究機関大阪大学

研究代表者

大門 寛  大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20126121)

研究分担者 菅 滋正  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40107438)
キーワード角度分解光電子分光 / バンドマッピング / フェルミ面 / グラファイト / 球面鏡分析器 / 2次元測定
研究概要

本研究の目的は、我々が開発した2次元表示型の球面鏡エネルギー分析器を用いて、固体内電子のエネルギーバンドを2次元的に迅速に測定し、3次元のバンドマッピングを行うことである。特にフェルミ面の形などが可視化でき、電気的性質を始めとする物性とバンド構造との関連が明らかになると思われる。
平成4年度は、バンドの2次元測定に適した分析器および測定システムを購入し、画質の良いデータを得るのが目的であった。そのために、阻止電位モードでも測定がうまく行くようなグリッドの配置にし、かつ取り出し立体角が±60°程度ある球面鏡分析器のグリッドシステムを設計し、購入した。また、検出器も、従来の2次元光子検出器(浜松ホトニクスPIAS)ではカウント数が非常に多いときには処理速度が追いつかないので測定効率が悪く画質も悪いので、カウント数が多くても使えるCCDカメラシステムに切り替えた。また、それらの制御電源も購入した。これらの購入物品を現有の真空槽に据え付けて実験を進めている。
本年度の実験としては、単結晶グラファイントでバンド構造の断面およびフェルミ面の形の測定を行った(文献1)。その結果、πバンドがバンド底ではΓ点に有るものが、フェルミ準位に近づくにしたがって広がっていき、Κ点のところで点状の正6角形のフェルミ面になる様子がきれいに観測された。これまで、このような測定は、IBMのHimpsel等の実験があるが、彼らの結果よりも広い範囲にわたって歪み無く測定できており、電子状態がよく解る。また、励起源に直線偏光を用いたので、軌道の対称性まで判った。これは、Himpsel等は観測しておらず、今回はじめて得られた重要な結果である。このような対称性の議論は従来の角度分解型の測定では極めて難しく、2次元角度分解同時測定の有効性がさらに示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Nishimoto.T.Nakatani,H.Daimon.S.Suga.H.Namba.T.Ohta,Y.Kagoshima,T.Miyagara: "Two-dimensional measurement of the energy band of graphite." Photon Factory Activity Report 1992. (1993)

  • [文献書誌] T.Nakatani,H.Nishimoto,H.Daimon,S.Suga,H.Namba,T.Ohta,Y.Kagoshima,T.,Miyahara: "Photoelectron diffraction pattern from Si" Photon Factory Activity Report 1992. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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