研究課題/領域番号 |
04402010
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
宅間 宏 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 教授 (70012200)
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研究分担者 |
佐々木 明 電気通信大学, レーザー極限技術研究センター, 助手 (10215709)
清水 和子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30017446)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | レーザー冷却 / レーザートラップ / 原子光学 / 原子結像系 / マイクロ波レンズ |
研究概要 |
本研究では、近年活発な研究が始まった原子光学の分野において必要とされる、中性原子用凸レンズの研究を行った.micro fabrication技術や共鳴光を用いて作成する回折格子などを用いるのではなく、中性原子ビームを電場により集束する方法を用いた。電場をEとすると、2次のシュタルク効果によりポテンシャルは -E2 に比例するので、原子が通過する空間に電場の極大を作る必要がある。静電場では電荷のないところに電場の極大を作れないため振動電場を用い、マイクロ波の共振モードを高いQ値で用いることにより、中性原子の集束を観測した。円筒型共振器のTM010モードの電場分布は軸対象で0次のベッセル関数で表され、共振器の中心軸上が電場最大となるのでこれを用いた。レンズとしての焦点距離は、マイクロ波周波数の3乗に逆比例するので周波数は高い方が入力パワーは少なくてすむ。容易に入手できるマイクロ波コンポーネントを使用するために、周波数は17GHz付近とした。この時共振器の直径は、13mmで製作上も都合がよい。準安定状態ネオン原子をゼーマン同調法によりレーザー冷却し、磁気光学トラップにトラップする。トラップ中で原子の運動エネルギーは数百マイクロケルビンになり運動速度は1m/sec以下になる。超低速であるため、13cmの長さの共振器を通過する間にカを受け軌道が曲がる。トラップされた原子に、598nmのレーザー光を照射して自由落下させる。トラップの垂直真下に共振器を置き、共振器から60cm下方にマイクロチャンネルプレートを置き共振器を通過してきた原子の2次元空間分布を検出した。マイクロ波パワー13.5Wで原子の集束を観測することが出来た。
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