研究課題/領域番号 |
04402012
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 利紘 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70011616)
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研究分担者 |
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
北 和之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30221914)
岩上 直幹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (30143374)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 対流圏光化学 / 対流圏オゾン / オゾン前駆気体 / 対流圏酸化窒素類 / 対流圏一酸化炭素 / 対流圏炭化水素類 |
研究概要 |
(1)ヘリウム・ネオン・レーザー吸光法によるメタン連続測定器の開発を行ってきたが、この測定器は周囲温度・気圧の変動に極めて敏感であることが判明した。検出系内の温度・圧力の安定化によって、この影響を軽減し、校正頻度を1分間隔にして、測定精度50ppbvを達成した。この程度の測定時間分解能でも、移動速度の遅い飛行船や自動車に乗せて測定するには十分有用である。飛行船による首都圏上空の観測、および自動車による水田地帯での観測を行い、メタンの発生源に関するデータを取得することができた。 (2)ガスクロマトグラフ・酸化水銀検出法による一酸化炭素測定器を航空機搭載用に改造し、航空機に搭載試験を行った。北海道東部における冬期、地表から高度5kmまで、ほぼ一様な濃度150-170ppbvであることを見出した。これの測定器はさらに改良を加え、1分間の時間分解能で測定精度5ppbvを達成できるようになり、これによって首都圏上空での飛行船観測、北海道東部での航空機観測を実施した。また測定時間分解能をさらに向上するため、ガスクロマトグラフのコラムを通さずに直接酸化水銀検出法で測定する方法も検討した。そのためには、触媒を用いて妨害気体を除去する回路を付加する必要があり、この部分についても本年度中に製作を完了する予定である。 (3)開発した一酸化炭素測定器の動作試験と対流圏大気の野外実測を兼ねて、乗鞍岳山頂および飛行船に搭載して首都圏上空において、オゾン前駆気体の同時総合観測を実施した。前者の観測では台風通過前後における南方・北方気団の違いにより、後者では東京上空の汚染気塊と周辺の比較的清浄な気塊との違いにより、オゾン、一酸化炭素・一酸化窒素・総酸化窒素の濃度の際立った差が見られた。これらのデータは、今後、化学輸送モデルを用いて解析する予定である。
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