研究課題/領域番号 |
04402014
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小泉 格 北海道大学, 理学部, 教授 (20029721)
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研究分担者 |
福沢 仁之 北海道大学, 理学部, 助手 (80208933)
中川 光弘 北海道大学, 理学部, 助手 (50217684)
多田 隆治 東京大学, 理学部, 助教授 (30143366)
佐藤 誠司 北海道大学, 理学部, 助教授 (30000813)
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キーワード | 白黒ラミナ / 縞状堆積物 / 菱鉄鉱(シデライト) / 三方湖 / 水月湖 / 部分循環湖 / 砕屑物 / ミランコビッチ |
研究概要 |
福井県三方湖のボーリングコア中の発見された明瞭な白黒ラミナから成る縞状堆積物(姶良Tn火山灰層と大山ホーキ火山灰層の間に挟在)の堆積構造、粘土鉱物組成、有機物組成、硫黄量などの変化を検討して、最終氷期の最寒期にあたる姶良Tn火山灰層堆積直後の三方湖の環境変動と乾湿変動との関係を明らかにした。その結果、自生炭酸塩鉱物(菱鉄鉱)は湖水中の二酸化炭素分圧によって規制されていると判断され、乾燥・湿潤変化の良好な指標となる可能性が高くなった。そして、モンスーン変動によると判断される数10年単位の乾湿(降水量)変動が存在していることが明らかになった。年層と判断される白黒ラミナの縞状堆積物は気候の乾湿変化による数年〜数十年単位で繰り返されている。 福井県三方五湖の中で最大の面積を占める水月湖は、現在湖水下層に海水が滞留する一方、上層に淡水が存在する部分循環湖として有名である。全長11mのボーリングコアの8.7mのところにアカホヤ火山灰層(6300年前)白黒ラミナから成る縞状堆積物が挟存しており、7m〜9mのラミナ堆積物を5mm毎に700個余の鉱物組成分析、炭素量測定、堆積構造などを検討した。その結果、黄鉄鉱や方解石の多産(海水)層準と菱鉄鉱の多産(淡水)層準がそれぞれ8.80〜9.03m,7〜8.10mと8.10〜8.80mに存在することが明らかになった。石英、長石、粘土鉱物などの砕屑物が7.00〜7.80mと8.80〜8.90mの2層準で増加している。これは、湖水準の低下と共に砕屑物流入量が減少し、湖水準が上昇しても直ちに流入量は増加せず、しばらく経ってから増加することを示している。 日本海大和海盆の南西端に位置するODP797地点の白黒ラミナから成る縞状堆積物を73万年前〜現在まで6000年毎に120個の珪藻群集を調べた。その結果、ミランコビッチの3つの周期に近い周期値群がそれらに存在することが明らかになった。
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