研究課題/領域番号 |
04402015
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荒牧 重雄 北海道大学, 理学部, 教授 (60012895)
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研究分担者 |
新井田 清信 北海道大学, 理学部, 講師 (30111149)
前田 仁一郎 北海道大学, 理学部, 助手 (50165643)
後藤 芳彦 北海道大学, 農学部, 助手 (20221252)
中川 光弘 北海道大学, 理学部, 助手 (50217684)
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キーワード | 島弧会合部 / 新生代 / 火成活動 / 主成分元素 / 微量成分元素 / 希土類元素 |
研究概要 |
今年度は以下のことを行った。 1.新たに導入したICP-AESによる希土類元素定量システムを構築し、既存のXRFによる微量元素測定ルーチンの改良と併せて、35元素の高精度定量分析システムを完成させた。 2.北海道全域の新第三紀から第四紀の火山岩のサンプリングが終了した。 3.収集したサンプルのXRFによる分析を進め、これまでに第4紀火山岩類は約1000個、新第三紀火山岩類では約400個の主成分化学組成を決定した。 4.代表的な約100サンプルのK-Ar年代測定を行った。 その結果、今年度に新たに以下の点が明らかになった。 1.北海道では後期中新世および鮮新世に大きく火成活動域が移動した。そして第四紀にかけて西南北海道では火成活動域の南方への収東、中一東部では火山体顕著な雁行配列が形成された。 2.後期中新世から鮮新世では千島弧と東北日本弧会合部では、アルカリ玄武岩〜カンラン石ソレアイトからなる単成火山群が特徴的に活動した。これらは千島海溝での太平洋プレートの斜め沈み込みによる、背弧側の引張応力場での活動で、典型的な島弧火成活動ではないと解釈できる。 3.第四紀では島弧会合部に火成活動空白域が存在した。 4.第四紀火山岩組成の広域変化を詳細に調べた結果、北海道の第四紀火成活動域は西南北海道、阿寒一知床地域、および然別一大雪一十勝地域に区分されることが分かった。そしてこの差は上部マントルから下部地殻の構造、あるいは背弧海盆の有無を敏感に反映していると考えられる。
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