研究課題/領域番号 |
04402019
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
兵藤 伸一 明治大学, 理工学部, 教授 (30010713)
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研究分担者 |
崔 博坤 明治大学, 理工学部, 講師 (30143530)
稲垣 睿 明治大学, 理工学部, 助教授 (20092140)
小泉 大一 明治大学, 理工学部, 助教授 (60126050)
小野寺 嘉孝 明治大学, 理工学部, 教授 (70087039)
市川 禎宏 明治大学, 理工学部, 教授 (60005965)
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キーワード | 液体金属脆化 / アルミニウム / ガリウム / 引張試験 / 単結晶 / アコースティック・エミッション |
研究概要 |
ジュラルミン2017、アルミニウム純度99%の2種類を試料にして、Gaを付着したときの引張り試験を行ない、Acoustic Emission(AE)を観測した。前年度の結果から、応力無負荷状態でのAE発生が残留応力によるものではないかと推察された。しかし、あらかじめ歪みを約15%加えた試料と加えない試料について今年度実験を行なったところ、AE発生に大きな差はなく、残留応力は主たる原因ではないことが明らかになった。 200,400,600℃で熱処理した試料では、結晶粒径が大きくなる(熱処理温度が高い)程、Gaによる脆化が顕著で破壊歪みが小さくなることがわかった。AE振幅は粒径が大きいほど大きくなり、AEの発生原因と粒径との関係が示唆された。さらに、99%アルミニウムを用いてブリッジマン法で単結晶化を試み、結晶粒径約1cmの試料が作成できた。この疑似単結晶試料の結晶粒間、粒内にそれぞれGaを付着させ引張試験を行なうとGaは粒界の方がはるかに浸透しやすいが、粒内の場合でも脆化は起こり、破壊歪みはGaを付けない場合の1/2程度になる。電顕写真をとった結果によると粒間にGaを付けた場合は粒界破壊、粒内の場合はへき開破壊になることが明らかになった。 今後はアルミ単結晶表面でのGaの吸収状態を走査トンネル顕微鏡や光電子分光法で調べ、これまでの結果と比較、検討する予定である。
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