| 研究概要 |
疲労試験機の機種選定と購入に伴い,疲労試験機の調整および疲労損傷機構の解明に重要となるプログラムの開発を行った.開発したプログラムの内容は,一定荷重サイクルごとにレプリカをとるために疲労試験機を停止する,剥離進展開始から剥離進展速度を推定するため,疲労試験荷重の荷重サイクル数を任意に設定択可能とする,疲労損傷の進展に伴う剛性低下を測定するために一定操返し数毎に荷重をゼロから指定された荷重まで指定されたひずみ速度で負荷する,剥離の大きさを測定するために一定繰返し数毎に荷重の最大振幅位置で荷重を停止する,などである.
疲労試験片の設計については,これまで複合材積層板の疲労試験時における試験片タブの近傍における破損が問題となっていたが,タブのテーパ角を変化させたり,タブのテーパ部にウレタンを挿入して,試験片とタブとの境界における剥離応力を最小にする試験片設計法を開発したことにより,タブ近傍破損を防止することが可能であると考えている.また,複合材積層板の疲労強度に重要な影響を及ぼす層間と自由縁との交点における剥離現象を簡易な近似解析法で推定できる方法を開発し,試験片の積層構成決定に使用した.
航空宇宙機でよく使用される疑似等方性積層板について,これまでの研究で行われていなかった荷重方向がどの繊維方向とも一致しない場合の疲労損傷について研究を開始した.初期剥離を有する複合材積層板の疲労試験を行い初期剥離開始および剥離進展に関するデータを取得した.レプリカによる疲労試験片のひずみ測定はレプリカの伸縮と画像処理が測定誤差に影響を及ぼすことが分かり,誤差を小さくする研究を行っている.
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