研究概要 |
次世代空調システム用の新作動流体として注目されているジフルオロメタン(HFC‐32)については、平成5年度までにほぼ全ての熱力学性質を測定から明らかにすることができた。平成6年度は、ペンタフルオロエタン(HFC‐125)の熱力学性質およびHFC‐32とHFC‐125の混合物についてその熱力学性質を実験的に明らかにすることができた。また、HFC‐125の熱力学状態式に関しても、まだ最終的ではないが、十分実用に耐え得る信頼できるものを得ている。以下に具体的に研究成果をまとめる。 1.HFC‐125のPVT性質に関して、温度308〜423K,圧力0.7〜11.8MPa,密度36〜1065kg/m^3の範囲に92点の実測値を得た。 2.HFC‐125の液体定圧比熱に関して、温度290〜310K,圧力2〜3MPaの範囲に15点の実測値を得た。 3.HFC‐32とHFC‐125の混合物のPVT性質に関して、温度320〜440K,圧力1.7〜5.3MPa,密度67〜159kg/m^3の範囲に104点の実測値を得た。 4.球共鳴法音速測定装置を混合物の測定ができるように改造し、HFC‐32とHFC‐134aの混合物の音速に関して、温度303〜343K,圧力40〜240kPaの範囲に244点の音速を測定し、この範囲の第2ビリアル係数を決定した。 5.熱力学状態式作成用計算機プログラムの開発を進めるとともに、HFC‐125の熱力学状態式の作成を試みた。温度240〜500K,圧力0〜70MPaの範囲に成立する17項のMBWR型状態式を開発した。
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