研究概要 |
本年度は、標記研究課題の最終年度であり、下記の研究成果を得ることができた。 1.ジフルオロメタン(HFC-32)およびテトラフルオロエタン(HFC-134a)の混合物について、気相域の音速測定を実施して、ビリアル係数を決定するとともに混合則の検討を行った。 2.ペンタフルオロエタン(HFC-125)の液相域の定圧比熱測定を終了した。 3. HFC-125に関する熱力学状態式の開発を行った。また、HFC-32に関しても、工業上の実用に際して十分な精度の熱力学状態式の開発を行った。 4.2種類の2成分系混合冷媒HFC-32とHFC-125ならびにHFC-32とHFC-134a系について、気相域に成立するビリアル状態式を開発し、これに気液平衡性質を表すPeng-Robinson式を組み合わせることにより、工業上の応用に必要不可欠な蒸気表ならびに圧力・エンタルピー線図等を作成し、理論冷凍サイクル特性の検討を行う等、貴重な情報を提供できた。 以上、本年度の研究実施計画に示した全ての課題を順調に成し遂げることができ、本研究課題により次世代空調システム用作動流体として注目されるHFC-32, HFC-125, HFC-134a,そして、トリフルオロエタン(HFC-143a)の純物質、さらには、HFC-32とHFC-125ならびにHFC-32とHFC-134aの2種類の2成分系混合物について、その熱力学性質を明らかにし、工業上必要不可欠な情報を提供することができた。
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