研究概要 |
空調システム用作動流体R-22に代わる新たな冷媒の探索とその熱力学性質を明らかにすることが本研究の目的である。平成4年度から平成7年度の4年間に以下に箇条書きにして示したとおり、所期の計画よりはるかに大きな研究成果を得ることができた。これらの成果は、26編の学術論文として既に報告している。 1.純冷媒R-32について、PVT性質、飽和蒸気圧力、飽和液体密度、定圧比熱、音速等を実験的に明らかにすることができた。 2.純冷媒R-125について、PVT性質、飽和蒸気圧力、飽和液体密度、定圧比熱、音速等を実験的に明らかにすることができた。 3.純冷媒R-134aについて、高純度試料を用いて臨界定数を決め直した。 音速を測定した。 4.純冷媒R-143aについて、飽和蒸気圧力、飽和液体密度および気相域のPVT性質を測定した。 5.混合冷媒については、気相域のPVT性質をR-32/125およびR-32/134aの広い組成範囲に、沸点圧力および沸点における液体密度をR-32/125, R-32/134a, R-125/143a, R-32/125/134aの2成分および3成分系混合冷媒について測定した。 6.以上の実験的研究により、R-32/125,R-125/143aの共沸組成を明らかにできたこと、気相域の音速実測値より理想気体状態の定圧比熱を純物質について明らかにできたこと、この理想気体状態の定圧比熱から混合冷媒の組成を厳密に決定できることを示したことなどが学術的にも価値ある研究成果であると考える。 7.また、上述の実験的研究成果に基づき、熱力学状態方程式の開発も進めている。そして、冷凍サイクル特性に関する検討も進めている。これらについては、平成8年4月に開催される学術講演会で発表する予定である。
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