研究課題/領域番号 |
04402030
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 裕之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90013226)
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研究分担者 |
松末 俊夫 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20209547)
野田 武司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (90251462)
永宗 靖 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (20218027)
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30134638)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 人工局在準位 / 量子箱 / 磁気フォノン共鳴 / トンネル伝導 / エネルギー緩和 / フォノンボトルネック / 光励起 / イオン化 |
研究概要 |
人工局在準位系として、磁場中の量子井戸を用いた磁気的量子箱(Mag-QB)、量子井戸内の不純物準位を用いたクーロン作用量子箱(Imp-QB),および微細加工で形成した量子箱(Fab-QB)を対象とし、以下の三点に関して研究を行った。 第一に、人工局在準位を介した伝導過程に関しては、磁場中超格子の垂直伝導における磁気フォノン共鳴の観測、磁場中3重障壁トンネルダイオードにおける磁場量子化準位を介したトンネル過程の観測、2重障壁トンネルダイオード中のドナー準位(Imp-QB)を介した2D-0D-2Dトンネル伝導の観測などを行った。さらに、電子ビーム描画量子箱構造(Fab-QB)を介した伝導におけるターンスタイル動作、光補助トンネル現象を観測し、その様な系での多体効果について理論研究を行った。自己形成InAs量子箱の作製と伝導測定も行った。 第二に、人工局在準位におけるエネルギー緩和に関して、フォノンボトルネックの有無をめぐって、理論実験両面から検討を行った。理論では、フォノンボトルネックの存在や、フォノン散乱抑制による結合量子箱のブロッホ振動が示された。ただし、光学フォノンと音響フォノンが同時に関与するフォノン過程の理論的解析からは、共鳴の前後数meVの範囲で比較的速い緩和の可能性のあることも示された。実験的には、磁気的量子箱(Mag-QB)を用いた磁場中三重障壁共鳴トンネル構造の伝導特性でも、磁場中量子井戸における電子正孔系の初期緩和過程の光学測定でも、単純な理論予測よりも速い緩和プロセスの存在を示唆する結果を得た。 第三に、人工局在準位の光励起およびイオン化の研究として、(311)A量子井戸中にSiアクセプタを導入し(Imp-QB)、局在準位の制御、伝導の温度依存性、赤外応答を調べた。
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