研究概要 |
本年度は計画通り,以下の1,2を実施した. 1.汎用性を持つ依頼計算の理論的検討 汎用依頼計算プロトコルを構成するために,問題のサイズの多項式時間で計算できる関数のクラスPのなかで最も難しい問題…P完全問題…である線形計画問題Lと論理回路の計算問題Cに対する依頼計算プロトコルを作り,これらをクラスPに属する与えられた問題に対する依頼計算プロトコルに変換する,という方法自体の理論的検討を行った.P完全問題L,Cに対する依頼計算プロトコルについても基礎的な検討を的い、これらについては,効率,守秘性,検算性等で理論上達し得る性能を実際に達成できるプロトコルが具体的に開発できそうであるとの見通しを得た.与えられた問題用の依頼計算プロトコルへの変換についての基礎的な検討も行い,変換後のプロトコルで解くべき問題のサイズが問題によっては(多項式的にではあるものの)かなり大きくなり,効率の点で実用上問題となる可能性があることが判った.また,依頼計算プロトコルへの受動攻撃に関して体系的な検討を行い,成果の一部を国際会議,国内シンポジウムで発表した. 2.補助装置の開発 汎用依頼計算プロトコルに用いる補助装置のハードウェアとして高速ワークステーションを購入し,補助装置の依頼計算ソフトウェア部分を論理シミュレータソフトを基盤として開発している.
|