研究課題/領域番号 |
04402035
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石原 宏 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (60016657)
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研究分担者 |
會澤 康治 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (40222450)
浅野 種正 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (50126306)
徳光 永輔 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (10197882)
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キーワード | ニューラルネット / 強誘電体 / Si / 自己学習 / 適応学習 / MISFET |
研究概要 |
本年度は、(1)ニューロデバイスの動作方式、(2)強誘電体薄膜の適応学習効果、(3)Si基板上への強誘電体薄膜の形成について検討した。 (1)については、強誘電体薄膜をゲート絶縁膜に用いたFETマトリックスが、パルス周波数変調方式のニューラルネットワークばかりではなく、直流電圧が入力されるアナログニューロチップにも有効であることを明らかにし、FETの形状ならびに分極方法を示した。 (2)については、ゾルゲル法および真空蒸着法を用いてPt電極上にPZT(PbZr_XTi_<1-X>O_3)膜を形成し、膜の残留分極特性から適応学習機能を評価した。まず、膜の電界-分極特性、ならびに過渡電流特性より、残留分極が10〜30μC/cm^2程度あること、およびスイッチング時間が数100nsであることを明らかにした。次に、スイッチング時間より短い幅50〜100nsのパルスを印加した場合の特性を測定し、パルスを印加する毎に分極が徐々に変化する現象、すなわち適応学習機能を確認した。 (3)については、Si基板上に強誘電性弗化物であるBaMgF_4膜をエピタキシャル成長させる方法について検討した。BaMgF_4は斜方晶結晶で〈100〉方向のみに自発分極を持つが、Si(100)基板上に500℃で成長させた膜は〈010〉方向に強く配向し、膜表面に垂直な方向には自発分極が得られないことを明らかにした。一方、Si(111)基板では基板温度500℃でBaMgF_4が〈120〉方向に優先配向し、自発分極の方向が基板表面に対して51゚の角度で立つことを明らかにした。これらより、BaMgF_4をSi(111)基板上に成長させると、強誘電体と半導体との良好な界面が形成できる可能性のあることを示した。
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