研究課題/領域番号 |
04402037
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
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研究分担者 |
岩下 英嗣 広島大学, 工学部, 助教授 (60223393)
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582)
茂里 一紘 広島大学, 工学部, 教授 (90011171)
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キーワード | 非線形ストリップ法 / 三次元特異点分布法 / ランキンソース法 / 時間領域 / 線積分 / 自由表面条件 / 二重模型流れ |
研究概要 |
昨年度に開発した高速船に働く流体力の推定法の精度を検討するために、強制動揺試験装置を新たに製作し、水槽試験を行った。更に今年度は高速航行状態の耐航性能推定に有効なランキンソース法の理論計算法の開発を行った。これらの理論計算法の推定結果と実験結果との比較より、次のことが判明した。 (I)ストリップ法 (1)船速がFn=0.4以上に大きくなると、radiation流体力の主要項に関する推定値は実験値よりも小さくなる。この結果、運動振幅の推定値が船長の2倍程度の波長域において、実験値よりも非常に大きくなり、推定精度が悪くなる。この差異を減少させるには、減衰力係数の推定精度を向上させることが有効であることが判明した。 (3)ストリップ法の推定精度の向上を計るためには、運動による時々刻々の水面下の形状影響を考慮している流体力を用いて時間領域で解を求める非線形ストリップ法が非常に有効である。この結果、減衰力係数のみでなく、加速度に比例する慣性項等の流体力係数の推定精度も向上することが判明した。 (II)三次元特異点分布法 (1)三次元特異点分布法は、線形ストリップ法と同様に、Fn=0.4程度の船速までは流体力ならびに運動振幅の推定精度は優れていることが判明した。 (2)本計算法で常に問題となる線積分の影響は、高速状態では小さく、船速が小さくなるほど影響が大きくなることが判明した。 (III)ランキンソース法 (1)高速状態の耐航性の推定に有効なランキンソース法の開発をおこなった。この結果、自由表面条件を簡単に変化させることが可能となり、検討の結果、二重模型流れを取り入れた自由表面条件を用いた数値計算結果が従来のいずれの計算結果よりも実験値との一致が優れていることが判明した。
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