研究課題/領域番号 |
04402044
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井沢 英二 九州大学, 工学部, 教授 (50037751)
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研究分担者 |
原 剛 九州大学, 工学部, 助手 (20159099)
中江 保男 九州大学, 工学部, 助手 (90253476)
渡辺 公一郎 九州大学, 工学部, 助教授 (10182916)
江原 幸雄 九州大学, 工学部, 教授 (10002346)
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キーワード | 火山島弧 / 熱水系 / 金鉱床 / マグマ性物質 / 変質帯 |
研究概要 |
1.金鉱床を形成した熱水系の温度構造について、南九州の金鉱床地域に加えて、大分県鯛生地域、福岡県星野地域、西九州の波佐見・有田地域の調査を継続しした。特に、流体包有物の研究と鉱石鉱物の共生関係と化学組成の特徴から鉱物の沈殿条件を推定した。微量金の分析については、LS-ICP-MSによる、黄鉄鉱の粒子毎の分析法を開発した。これによって、赤石鉱床の初成鉱石に金がどのような状態で存在するかを明かにすることが出来た。今後は岩石試料についての分析法を開発する必要がある。 2.広域的な熱水変質帯から多数試料を採取してX線解析を行った。これによって、九州各地の熱水変質帯について、広がりと累帯構造を明らかにすることが出来た。 中性熱水が関与した鉱脈型鉱床と酸性熱水が関与した南薩型塊状鉱床の生成の場の相違を、火山活動の変還過程のなかに位置づけて調査研究した。その結果、南薩型鉱床は火山中心に近く、マグマ性物質の寄与がある環境で生成したことが明らかになった。 マグマの性質の差や基盤岩、上部地殻の熱構造の相違が、金鉱化のポテンシャリティに関連を持つかどうか検討したが明確な結論には至っていない。 本研究によって得られた成果と文献試料から、環太平洋地域の火山と金鉱床の関連と特徴を総括した。 以上により金鉱床の生成過程を火山島弧の発達と関連づけてモデル化した。
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