研究課題/領域番号 |
04402045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
深道 和明 東北大学, 工学部, 教授 (00005969)
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研究分担者 |
吉原 章 東北大学, 科研科学計測研究所, 助手 (40166989)
潟岡 教行 東北大学, 工学部, 助教授 (90194761)
青木 清 東北大学, 金研, 助教授 (70124542)
島田 寛 東北大学, 科研科学計測研究所, 教授 (00006157)
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キーワード | 磁気体積効果 / 磁気弾性効果 / 圧縮率 / ブリュアン散乱 / スピングラス / 水素吸蔵 / 4極子分裂 / アイソマーシフト |
研究概要 |
鉄系アモルファス合金は顕著な磁気体積効果を示すので、磁気弾性効果も著しいことが予想される。Ce-Fe 合金のブリュアン散乱の実験を行い、圧縮率が非常に大きく純鉄の値の約3倍もあり、磁気弾性効果が著しいことが明らかになった。一方、水素を吸蔵させると体積膨張を伴い、磁性が強調される。このような振る舞いは他の鉄系アモルファス合金においても見られた。 熱膨張の異常を引き起こす磁気体積効果は磁気転移温度(キュリー温度)以下で著しいのが普通であるが、Y-Feのようにキュリー温度を持たないアモルファス合金でも著しい磁気体積効果が存在し、室温付近でさえ、熱膨張係数が負で収縮する事が確認された。このような特異な現象と関連し、常磁性温度領域での磁化率の異常な温度依存性が観測された。これら特異な現象はスピンの揺らぎを考慮する事に説明できることが明らかになった。 アモルファス合金は非平衡相であるために熱処理により構造緩和を引き起こすが、それに伴って磁気的性質が著しく変化する。その事は熱膨張の異常にも敏感に反映される。Y-Fe合金はスピングラスを示すが低温熱処理により、強磁性が出現して熱膨張の異常にも変化が生じる。このようにわずかの構造変化が磁気体積効果に著しい影響をおよぼすが、メスバウワー効果により、アイソマーシフトや4極子分裂の実験から面心格子の鉄の状態と類似することが示された。
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