研究課題/領域番号 |
04402047
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木原 諄二 東京大学, 工学部, 教授 (00010801)
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研究分担者 |
小林 真人 神戸製鋼(株), 機械研究所, 主任研究員
立澤 清彦 東京大学, 工学部, 助手 (70013729)
相澤 龍彦 東京大学, 工学部, 助教授 (10134660)
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キーワード | メカニカルアロイング / 冷却金型 / 強制塑性変形流動 / ダイキャビティ設計 / プロセス最適化 / Cu-Ag系 / 化合物相 / アモルファス化 |
研究概要 |
メカニカルアロイング(MA)法は、固相で種々の非平衡相を創製できるきわめて有効なプロセシングであるが、通常のボールミリングによるMA,繰り返し圧延などによる方法では、1)プロセス時間が膨大であること、2)雰囲気・ボール・容器からの汚染が大きいこと、3)生成されるものは微量粉末であり、固化などの他の処理プロセシングが必要となること、4)温度制御を初めとして重要なプロセス管理がほとんど出来ないこと、5)MAに伴う材料変化を記述する方法がないことなど、非平衡材料プロセシングとしての要件を満足していない。研究者らは、強制塑性変形流動(静水圧圧縮・せん断変形モードからなる粉末の強制塑性流動)による高速メカニカルアロイングを開発し、初年度はアロイングマシンの開発、関連システムの構築を行い、Cu-Ag系を用いて高速MA化(プロセス時間が従来の1/10-1/20;100g程度のバルク材生成など)が可能であることを確認した。本年度は、ポジションセンサー,自動制御プログラムを増強するとともに、冷却金型・ダイスキャビティー形状最適化を図ることにより、(1)プロセス時間が2-3秒/sとなり従来のMA時間の1/50以下にできること、(2)冷却金型を用いることで非平衡相が消失する逆反応を抑え、表面酸化などの雰囲気との反応を低レベルに抑制できること、(3)ダイキャビティーおよび関連するパススケジュールを制御することによってMA時間をさらに短縮できること、(4)上下パンチのストローク・荷重履歴ならびにダイス内部温度履歴をオンプロセス測定することにより、MA中に投入されるエネルギ履歴・散逸エネルギー履歴を決定でき、強制塑性流動に伴う粉末混合・MA化の素過程を記述できること、(5)安定して100g前後の非平衡材料を創製できることなどがわかった。現在、Cu-Ag系を用いて、本高速MAプロセシングの改良を行うとともに、TiNi系・TiAl系などのアモルファス化、Ni-Al系における構造化、Al-Si系などのナノ結晶化プロセスの解明を本プロセスを用いて行っている。
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