研究概要 |
本年度が,3年間維持して研究開発してきた高速メカニカルアロイング研究の最終年度であり,その成果を以下の5つにまとめることができた。 すなわち, (1)従来型のボールミリング・アトライティング方式によるMAに代わって,(i)高速MA化(プロセス時間を1/10〜1/10^2にする),(ii)2次加工可能な大規模MA(Kgオーダの生産),(iii)温度・応力伝達・環境相互作用などの多様な制御性を有するフレキシブルMAを実現した。 (2)共晶系を用いて,ダイスシステム温度・環境・投入機械的エネルギーを制御し,MAの混合過程・均一化過程・反応過程を,実験的に記述することに成功した。 (3)新しい弾塑性解折システムを開発し,粉体間の相互作用,粉体とダイスシステムとの相互作用などを,直接的に,照端解折し,被加工材の変形機構を記述し,混合過程に及ぼす程々の材料学的因子ならびに力学的因子を理論的に考察した。 (4)セラミックスと金属シース材料からなる複合線材化に関する制御破砕成形プロセスを検討し。(i)破砕プロセスによってセラミック破砕粒と金属粒子とが均一に混合されること。(ii)Alインサートによりシース金属による劣化はなくなること。などを解明した。 (5)MAにより微細混合されたサンプルを衝撃反応プロセシングに用い,新しい固相反応プロセシングの可能性ならびに高速機械的混合に及ぼす初期後細状態の影響を評価した。 以上,金属間化合物一セラミック複合化をはじめとして、新しいインターマテリアルズを固相状態でプロセシングするための材料プロセシングの基礎を考究した。
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