研究課題/領域番号 |
04402049
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 雄一 東京大学, 工学部, 助教授 (90144170)
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研究分担者 |
篠原 俊二郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10134446)
遠山 濶志 東京大学, 理学部, 教授 (50023718)
森川 惇二 東京大学, 工学部, 教務職員 (70192375)
吉田 善章 東京大学, 工学部, 助教授 (80182765)
井上 信幸 東京大学, 工学部, 教授 (60023719)
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キーワード | プラズマ / 核融合 / ULQ / VLQ / 磁気圧縮 / 磁場揺動 / H_αシグナル / イオン異常加熱 / ダイナモ電場 |
研究概要 |
大電流トロイダルプラズマである極低q(ULQ)及び低q(VLQ)プラズマに対して、トロイダル磁場の急峻な立ち上げによる磁気圧縮実験を行なった。その結果、磁気圧縮中及び磁気圧縮後のプラズマに対してそれぞれ興味ある実験現象が観測された。 磁気圧縮中のプラズマの変化としては、周回電圧の上昇や磁場揺動の増加が観測され、プラズマ異常抵抗の増大が引き起こされた。トロイダルコイルの急峻な電流立ち上げは、ポロイダル電場を誘起する。しかもその方向はトロイダル磁束を保持しているダイナモ電場の方向と反対である。従って、磁気圧縮により誘起されたポロイダル電場に打ち勝つべく、磁場揺動が増大しより大きなダイナモ電場を発生すべくプラズマが応答したと推論できる。一方磁気プローブ測定によると、プラズマ柱は磁気圧縮により数cm程度縮小しており、H_αシグナルも減少している。トロイダル磁場の立ち上げ時間は約0.3msecであり、エネルギー閉じ込め時間より遅く、断熱的なプラズマ加熱現象は期待できないが、それでもプラズマ柱のわずかな収縮効果により、プラズマ・壁相互作用は軽減されたと言える。 磁気圧縮直後からプラズマ電流が増加しはじめ、しかも周回電圧も低い値に保持されている。この電流増加フェーズでは、磁場揺動やH_αシグナルも低い値で保持されており、イオン異常加熱も観測されていない。通常のULQプラズマ異常抵抗に関するスケーリング則(異常抵抗が磁場の逆数に比例)と比較しても、この電流増加フェーズのプラズマ抵抗値は低い値に保持されている。これらの結果から、磁気圧縮によりMHD的により安定なULQプラズマ配位が形成されたと言え、このフェーズに於ける電流分布の時間的推移等を解析する事により、その物理的機構を解明すべく検討している。 磁気圧縮後の電流増加は、プラズマ表面の安全係数が有理数になる値に到達すると急激に止る。この時磁場揺動やH_αシグナルのバースト的増加及びイオン温度の異常加熱が観測され、これ以降は通常のULQプラズマ特性を示す。
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