研究概要 |
大規模画像処理においては,大容量の二次記憶デバイスの存在が不可欠である。一方,磁気ディスク装置の小型化が年々急速にすすんでおり,大型計算機用のディスクと比較し,コストの点でははるか安価で同等の性能のものがある。本研究の目的は,これらの超小型ディスクを利用して大規模画像処理に適した高機能ディスクアレイを構築する為の方法論を確立すること,つまり.これらの超小型ディスクを多数台用いることで,入出力能力を大幅に向上させると同時にそこに「処理機能」を実現し,大規模画像処理に見られる入出力負荷の重いアプリケーションの性能を格段に向上させることにある。 本年度は,大規模画像処理のアプリケーションの入出力特性を解析を行い,従来の様な単なるデータの格納だけでなく「処理機能」を実現するために必要なパラメタの検討を進め,その特性を明らかにした。また,本研究における高機能なディスクアレイを実現するためには,RAID-5レベルのアクセス方式を採用するが,現在のRAID-5アクセス方式では,ディスクに対する書き込みの性能が大幅に低下するとい間題がある。また,大規模画像処理では,頻度は低いが大容量のデータ転送と小規模だが頻度の高いデータ転送が行われるという特性を孝慮し,大量のメモリを搭載することで,柔軟なアクセス方式と高速性を実現するアーキテクチャを検討した。実際にディスクアレイシミュレーションを構築し,大規模画像処理の特性に在ったストライプサイズ,アレイサイズ,転送スケジューリング等について考察を行うとともに,ダイナミックファイル,ログストラクチャファイルなど各種のディスクアレイに適した格納技法について検討した。これらの結果に基づき,来年度の試作に向けての方式設計を行うとともに,ファームウェアの構成についても検討を進めた。
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