研究課題/領域番号 |
04402052
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中沢 正治 東京大学, 工学部, 教授 (00010976)
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研究分担者 |
空本 誠喜 日本学術振興会, 特別研究員
高橋 浩之 東京大学, 工学部, 助手 (70216753)
井口 哲夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60134483)
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キーワード | 光ポンピング法 / スピン整列 / 中性子計測 / He-Neレーザー / 偏極中性子 / 原子炉制御 / He-3核 / 核励起レーザー |
研究概要 |
本研究の目的は、レーザーを用いた新しい中性子計測法と原子炉制御法の原理を実験的に確認することである。具体的には、(1)中性子照射により、He-Neレーザー光の発生あるいは光増幅の可能性を示し、次に(2)レーザー光によりHe-3核のスピン整列させることにより、He-3核の中性子吸収断面積を減少させることが可能であることの実証である。 本研究は3年計画の予定であるが、初年度の成果は次の通りである。 (1)He-3-Neガスセル(7:1、300Torr)を試作し、東大高速中性子源炉弥生により、熱中性子束を10^7〜10^<10>n/cm_2・sec照射した。このガスセルに、外部からHe-Neレーザー光(波長632.8mm)を通過させ、そのレーザー光のガスセルによる増幅率を測定した。その結果、10^<10>n/cm^2・secのとき、5〜8%の光増幅が可能であることを確認した。ただし、原子炉弥生の性能上、これ以上の熱中性子照射は困難であり、今後は別の研究炉における実験を検討する予定である。 (2)レーザー光によるHe-3原子核のスピン整列法については、2つの方法が可能であることがわかった。1つはHe-3-Rbガスセルに795nmのレーザー光を照射するものであり、もう1つは、He-3の2^3S_Iの励起状態に、1.08μmのレーザーを照射するものである。前者については、高エネルギー研でも進行中であり、偏極率80%を実現しているので、今後、共同研究にて最適化の研究を進める予定である。特に、本年度はHe-3核スピンによる中性子スピン偏極の能性について、モンテカルロ計算にてHe-3ガスセルの最適配置を検討し、原子炉内均質配置にて98%以上の中性子スピン偏極率を得ることがわかった。この研究成果は、日本原子力学会秋の大会(1992年10月、名大、G-25)および原子力国際先端シンポジウム(1993年3年、水戸)において発表した。
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