研究概要 |
X,eX分光の開発研究の初年度として本年は次のことを行なった。 1.励起X線用X線単色器およびそのチェンバーの製作 2.試料槽チェンバーの製作 3.同期検出用エレクトロニクスの購入と製作 4.X,eX測定用コンピュータおよび記憶装置(光ディスクユニット)など関連設備の購入 5.X,eX測定用ソフトウェアの開発 以上により、X,eX測定のための準備はほぼ整ったが、現在はシステム全体の立ち上げを行なっている段階であって、未だスペクトルの測定には至っていない。 スペクトルの測定に至っていない理由は、コンプトン散乱X線(半導体検出器により検出)と散乱電子(マイクロチャンネルプレート(MCP)により検出)の同期をとることができないことにある。その原因は、MCPが意外にX線に感度が良く、電子のみならず散乱X線、蛍光X線をも検出してしまい、そのためデッドタイムが長くなって見たい信号を取り出すことができないことにある。そこでX線と電子を分離し、電子のみがMCPに入るように、電子軌道を曲げる等の工夫を種々試みている。また逆に、MCPを2次元のX線検出器として用い、電子検出器として電子増倍管を用いることなども試みつつある。次年度にはスペクトル測定の成功を期している。
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