研究課題/領域番号 |
04403004
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
廣瀬 千秋 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016723)
|
研究分担者 |
野村 淳子 (近藤 淳子) 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60234936)
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (20202418)
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10155624)
|
キーワード | 表面和周波分光 / 表面種の振動分光 / レーザー非線形分光 / 非線形振動分光 / 吸着分子の振動分光 / 吸着ギ酸の振動スペクトル / 化学吸着膜の振動スペクトル |
研究概要 |
本年度はまず、ピコ秒赤外パルス光を高出力化し、かつ線幅を縮小するために、光学系を手直しした。また、試料調製用の簡易型真空チャンバー(山本真空研究所)を購入した。同時に装置の感度・性能を調整・検定するための標準試料の探索を行った。その結果、SFGに用いる2つのパルスレーザー光の光路と遅延時間を粗調製する上ではGaAs結晶及び水晶片が適していること、さらに微調製を行うにはシランカップリング法で製作した化学吸着膜が有用であることを確認した。 SFGスペクトルの測定は、化学吸着膜及び酸化マグネシウム単結晶表面に吸着したギ酸について行った。前者については、基板(石英板)の表面処理が吸着分子の密度及び配向に大きな影響を及ぼしていること、吸着分子のアルキル鎖の長さが分子骨格の折れ曲がりの度合と関連していることなどを見出した。一方、吸着ギ酸に関する測定は超高真空容器を用い、昇温脱離(TPD)法を併用しながら行った。その結果、吸着種はギ酸(HCOOH)からプロトンが解離したホルメート(HCOO^-)であることを見出し、さらに、吸着・昇温脱離を繰り返すと表面に極微な凹凸が生じ、新しい吸着サイトが生成することを見出した。 SFGスペクトルの偏光特性に注目した理論解析の方法についても定式化を行った。これを用いて配向解析を行ったところ、マグネシウム上に吸着したホルメート分子については、旧来の吸着サイトでは表面に対して垂直にたっているが、表面の荒れに伴って生じる吸着サイトでは表面から45゚程度傾いていることを見出した。現在、吸着の分子論的な解釈を試みている。 他に、表面を水素化したダイヤモンドについても予備的なSFG測定を行った。
|