研究課題/領域番号 |
04403009
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 静之 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022540)
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研究分担者 |
木越 英夫 名古屋大学, 理学部, 助教授 (90169839)
小鹿 一 名古屋大学, 理学部, 助手 (50152492)
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キーワード | 海産抗腫瘍性物質 / 海産細胞毒性物質 / 構造活性相関 / 合成 / わらび究極発癌物質 / DNA切断 |
研究概要 |
海産抗腫瘍性物質アプリロニン類およびドリキュライド。 1.アプリロニンB(1)の合成と構造確定。 海洋動物アメフラシよりアプリロニンAの類縁物質であるアプリロニンB(1)を単離し、その構造を分光学的手法により推定した。今回、アプリロニンAの合成中間体を出発原料としてアプリロニンB(1)を立体選択的に合成することにより(1)の構造を確定した。 2.アプリロニンA人工類縁物質の合成。 アプリロニンAの強力な抗腫瘍性が発現するための構造因子を解明する目的で、側鎖を持たないアプリロニンAなど3種類の人工類縁物質を化学合成した。これらの人工類縁物質について細胞毒性の検定を行っている。 3.ドリキュライド(2)の単離・構造・合成と構造活性相関。 海洋動物タツナミガイより腫瘍細胞に対する細胞毒性を指標として新規シクロデプシペプチドであるドリキュライド(2)を単離した。ドリキュライド(2)は強力な細胞毒性とともに抗腫瘍性も有する。主にスペクトル解析により推定したドリキュライド(2)の立体構造に基づき(2)の合成を行い、(2)の構造を確定した。さらに8種類の人工類縁物質を合成しこれらの細胞毒性を検定することにより、ドリキュライド(2)の強力な細胞毒性の発現に関する構造活性相関の知見を得た。 わらびの究極発癌物質に基づく制限酵素機能分子(3)の合成とDNA切断機能。 わらびの究極発癌物質の人工類縁物質をDiels-Alder反応を鍵反応とする合成経路により調整し、DNA塩基配列認識機能を有するネトロプシン誘導物質と連結することにより制限酵素機能分子(3)を合成した。プラスミドDNAの切断実験を行った結果、制限酵素機能分子(3)のDNA切断活性はDNA塩基配列認識部位を持たない対照化合物と比較して約4倍強いことが明らかになった。
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