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1993 年度 実績報告書

熱水-岩石反応過程の鉱物化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04403013
研究機関広島大学

研究代表者

竹野 節夫  広島大学, 理学部, 教授 (00033829)

研究分担者 鈴木 盛久  広島大学, 学校教育学部, 助教授 (10033888)
早坂 康隆  広島大学, 理学部, 助手 (10198830)
星野 健一  広島大学, 理学部, 助手 (80190198)
北川 隆司  広島大学, 理学部, 助教授 (70112167)
渡辺 洵  広島大学, 理学部, 助教授 (80033900)
キーワードLiesegang texture / Pyrophyllitic alteration / Banded structure / Diffusion / Spherulitic texture / Water-rock interaction / Hematite / Minor element
研究概要

2ケ年にわたる本研究の最終年度である平成6年度には、本研究費で購入した最新の全自動強力X線回析装置による試料の解析作業に重点をおいて研究を行った。研究対象とした試料は、主として広島県庄原地区の広域的な熱水変質作用の結果生成されたろう石変質帯中に発達するリーゼガング組織を構成する鉱物である。
広島県庄原地区の広域変質帯に関しては、これまで地質学的・鉱床学的、あるいは鉱物学的な研究が数多くなされてきているにもかかわらず、熱水-岩石反応過程で形成される最も代表的な組織の一つであるリーゼガング組織は、本研究において始めて取り上げたものであり、元素の拡散過程で生じる数ミリメートルから数センチメートル幅の異なる色の縞が、数メートル以上までもの規模で、同心円〜楕円状を主とするいろいろな形状の色鮮やかな縞模様を示すものである。
リーゼガング組織の色の違いによる構成鉱物種の変化は比較的単純で、黒〜赤紫の色の濃い部分では赤鉄鉱が濃集しているのに対して、白〜灰色の色の薄い部分では葉ろう石と石英に富む傾向がある。リーゼガング組織を示す岩石全体の主要元素はSio_2、Al_2O_3、Fe_2O_3およびK_2Oで、未変質の母岩と比較するとSiとAlに富みK、Fe、Caに乏しくなっている。また、縞模様の色の違いによる元素の差としては、色の薄い部分ではAlに富みFeに乏しい傾向がある。注目すべき特徴は微量元素の挙動で、色の白い部分にいろいろな元素が濃集している事である。例えば、Nbは色の濃い部分では数ppmであるのに対して、色の薄い部分では数百ppmといった含有量の違いが認められた。このほか色の薄い部分にはNb、Zr、Sr、MnおよびYなどが比較的濃集している事が明かとなった。
これらの事実は、熱水-岩石反応過程における元素の移動・拡散機構の解明にあたっての最も基礎となるデータであり、本研究の最大の成果であると言えよう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] OHKAWA Makio: "Crystal chemistry of vesuvianite" American Mineralogist. 77. 945-953 (1992)

  • [文献書誌] OHKAWA Makio: "Structure investigation of high-low vesuvianite" Mineralogical Journal. 17(印刷中). (1994)

  • [文献書誌] TAKENO Setsuo: "Syntheses of selenian valleriite" Mineralogy and Petrology. 50(印刷中). (1994)

  • [文献書誌] Pucai YANG: "Weathering of biotite in the Daito granodiorite,Shimane Prefecture,Japan" Journal of Mineralogy,Petrology and Economic Geology. 99(印刷中). (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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