研究分担者 |
海老原 昌弘 岐阜大学, 工学部, 助手 (80201961)
守屋 慶一 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40174461)
宮田 幹二 岐阜大学, 工学部, 助教授 (90029322)
辻 康之 岐阜大学, 工学部, 助教授 (30144330)
加藤 晋二 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021589)
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研究概要 |
遷移金属クラスター錯体イオンラジカル塩,異核多核錯体,並びにコール酸包接錯体等の分子構造と結晶構造を明らかにし,結晶構造を制御する因子について研究を進めた.また併せて,有機ケイ素・スズ基をオレフィンに導入する新規触媒反応,新規有機カルコゲン化合物の合成法の開発,新規液晶相の開発研究を進め,有用な結果を得た. (1)芳香族架橋配位子をもつロジウム複核錯体のカチオンラジカル塩の結晶構造において,分子間の不対電子間相互作用による新しい形の3次元分子間相互作用系が構築されることを見いだした.この結果は,クラスター錯体イオンラジカルを電導性や磁性の機能をもつ新しい素材として利用できる可能性を示したものと考えられる.(2)胆汁に含まれるコール酸をホストとし炭化水素をゲストとする包接化合物の形成を新たに見いだし,その結晶構造を明らかにした.この結果は,コール酸結晶がゲスト分子に依存して結晶他形を示すことを示したものであり,分子認識・分子情報発現の面で興味深いものである.(3)炭酸ガス固定化反応触媒検索の一環として重炭酸イオンの配位した新規白金錯体を合成し,その構造を決定した.(4)パラジウム触媒によるオレフィンのシリルスタニル化反応ならびにカーボシリル化反応を見いだし,反応の立体選択性を明らかにした.(5)有機セレンと有機ヒ素をアセチレン誘導体に導入する新しい反応試剤を開発し,生成物の結晶構造を明らかにした.(6)末端に水酸基をもつ液晶性物質の相転位挙動が分子間水素結合により制御されることを明らかにした.
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