研究概要 |
Rh(1)錯体の二座配位子が中心金属となすbite angleを鍵因子に採り上げて、主としてホスフィンの分子設計を行い、bite angle〜120℃を最適とする新規な(光学活性)ジホスフィン類1〜4を合成した。まず、ラセミ体を用いてRh(CO)_2(acac)+ジホスフィン系の触媒前駆体を調製して、H_2/CO=1/1の合成ガス下、スチレン、酢酸ビニルなど単純なプロキラルオレフィンのヒドロホルミル化を検討した(式1)。 その結果、ホルミル基導入の位置選択性はこれらの基質に特異的に分岐型96〜99%に達し、かつturnover frequency(TOF)に基づく触媒活性は、同一反応条件下で比較することにより、従来のジホスフィンを用いるより高いことを見出した:TOF:3>1=^^〜2>4>Ph_2P(CH_2)_nPPh_2(n=2,4,6) これらの配位子は、しかしながら光学活性体を用いても式1の反応で有意義な不斉誘導が見られなかった。この改善策を次年度の課題とする。
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