研究課題/領域番号 |
04403021
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡本 佳男 名古屋大学, 工学部, 教授 (60029501)
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研究分担者 |
幅上 茂樹 名古屋大学, 工学部, 助手 (30252266)
八島 栄次 名古屋大学, 工学部, 講師 (50191101)
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キーワード | 光学活性高分子 / らせん構造 / ポリメタクリル酸エステル / ポリイソシアナ-ト / ポリアセチレン / ポリアクリル酸エステル / 高速液体クロマトグラフィー |
研究概要 |
1.メタクリル酸1-フェニルジベンゾスベリルのラジカル重合を、光学活性な溶媒(メントール、ネオメントール)中で、あるいは光学活性な連鎖移動剤(メンタンチオール、ネオメンタンチオール)の存在下で行い、アキラルなモノマーのラジカル重合でははじめて高度にイソタクチックならせん状光学活性ポリマーを得た。 2.メタクリル酸1-(2-ピリジル)ジベンゾスベリルを合成し、N,N'-ジフェニルエチレンジミンのモノリチウムアミドと(+)-1-(2-ピロリジニルメチル)ピロリジン(PMP)との錯体を用いてトルエン中-78℃で重合し、高度にイソタクチックな一方向巻のらせん構造をもつポリマーを得た。このポリマーは種々のラセミ体に対して不斉識別能を示した。 3.アクリル酸1-フェニルジベンゾスベリル、アクリル酸トリフェニルメチルの不斉アニオン重合により、一方向に片寄ったらせん構造をもつと考えらるポリマーを得た。 4.メタトリルおよびメタメトキシフェニルイソシアナ-トのオリゴマー化を(+)-1-(2-メトキシメチル)ピロリジンのリチウムアミドを用いて行い、生成物を高速液体クロマトグラフィーあるいは超臨界流体クロマトグラフィーを用いて重合度別に分別し、各オリゴマーの重合度と比旋光度の関係を調べた。その結果、いずれのオリゴマーについても重合度12-13程度でらせんの反転が起こり始め、それ以上の重合度領域では、重合度の増加とともに旋光性が減少することを明らかにした。 側鎖に光学活性なカルバメート基を有するフェニルアセチレン誘導体を合成し、ロジウム触媒により単独重合あるいは種々のモノマーと共重合した結果、らせん構造にもとづくと考えられる強い円偏光二色性スペクトルを示す立体規則性ポリマーを得られた。これらのポリマーを高速液体クロマトグラフィーの固定相として用いたところ、様々のラセミ体を効率よく分割することができた。
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