研究課題/領域番号 |
04403025
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 晃一 東京大学, 薬学部, 助手 (20211849)
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研究分担者 |
荒田 洋治 東京大学, 機能水研究所, 所長 (40011499)
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キーワード | 免疫グロブリン / 核磁気共鳴 / 抗原結合部位 / 動的高次構造 / IgG結合蛋白質 / 糖鎖 / 部位特異的変異 / 安定同位体標識 |
研究概要 |
本年度は、抗原結合部位の動的性質、細菌性蛋白質の結合様式、エフェクター機能発動部位の高次構造に焦点をあてて研究を行い、以下のような知見を得ることができた。 1.温度、イオン強度変化等の外的摂動に伴う抗原結合部位の構造変化を詳細に解析することにより、多形性を示す抗原結合部位の個々のコンフォーマ-を同定することができた。また、抗原結合部位に存在する結合水を同定することに成功した。 2.Fvフラグメントの分子内部に存在するTrp残基側鎖の^<15>NH基の緩和時間、水素-重水素交換速度を測定することにより、両ドメインの動的性質の違いを明らかにした。更に、同様の実験をFabについても行い、個々のimmunoglobulin foldの安定性の差異を明らかにした。 3.プロトン検出三重共鳴法を改良して高分子量蛋白質を対象とした測定を可能とし、プロテインA上におけるFc結合部位を明らかにした。また、Cα炭素シグナルの化学シフトインデックスを用いてFcとの複合体中におけるプロテインAの二次構造を明らかにした。 4.前年度までに確立した方法を用いて、Peptostreptococcus magnus由来のプロテインLのFab上における結合部位のマッピングを行った。 遺伝子工学的手法を用いてFc結合糖鎖を除去したIgG変異体を用いて、糖鎖の存在がIgGの機能部位の構築において果たしている役割を明らかにした。また、Fcレセプター結合部位を改変したIgGを用いて、その動的高次構造を明らかにした。
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