研究課題/領域番号 |
04403026
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
安岡 則武 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40029054)
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研究分担者 |
岬 真太郎 姫路工業大学, 理学部, 助手 (30244685)
樋口 芳樹 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90183574)
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キーワード | クリスタログラフィックワークベンチ / ヒドロゲナーゼ / X線構造解析 / 異常散乱法 / 重原子同型置換法 / 電子密度分布 / 鉄・イオウクラスター / ネットワーク |
研究概要 |
実験室規模におけるタンパク質立体構造のX線回折法による一貫解析システムを構築するとともにこれを活用して硫酸還元菌のヒドロゲナーゼの構造解析を行った。4軸X線回折装置を制御しているコンピュータをIBMPC相当機を購入し置き換えることにより、研究室のEthernetに接続した。さらにグラフィックスワークステーションIRIS-Indigoを設置し、タンパク質構造解析のための各種のグラフィックスプログラムを搭載した。さらにこれらと現有のコンピュータ・X線回折装置を高速のネットワーク(Ethernet)で結び、データ転送および相互の割り込み制御の可能なシステムを構築した。測定した構造因子のデータセットを用いてワークステーションにおいて構造解析計算を行うためのソフトウェアの開発を行った。このシステむを活用してヒドロゲナーゼ結晶のX線回折を行った。データを3つの異なる波長において測定し、異常分散を利用した構造解析を試みた。異常散乱効果の差が観測されそれを利用したパターソン関数を数種類計算したところ、有意なピークが認められた。これが鉄-イオウクラスターに対応するものであることは明かであった。しかしこの位置を利用した位相決定は成功しなかった。そこで重原子誘導体の調製を行い、異常散乱法と結合した位相問題の解決を行った。十種以上の重原子試薬を用いて誘導体を調製した。その結果水銀・ウラン・イリジウム・白金・鉛など数種の誘導体が有意な回折データの変化を与えることを認めた。これらの誘導体における重原子の位置を求め、精密化を行ったのち電子密度分布を計算した。6オングストロム分解能のマップは分子の境界を識別できるものであり、また鉄-イオウクラスターの位置と考えられる高いピークが認められた。このマップをもとに位相の精密化をはかる。
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