研究課題/領域番号 |
04404007
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石井 龍一 東京大学, 農学部, 教授 (00011958)
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研究分担者 |
佐々木 治人 東京大学, 農学部, 助手 (60225886)
伊藤 亮一 東京大学, 農学部, 助手 (60184701)
山岸 徹 東京大学, 農学部, 助教授 (50143409)
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キーワード | 光合成 / シンク / ソース / 炭水化物代謝 / イネ / ダイズ / スクロースフォスフェートシンターゼ / デンプン |
研究概要 |
I.イネの葉鞘と桿が、炭水化物の一時的貯蔵器官として働いている生化学的実態を明らかにするために、各種の炭水化物レベルの変動と、炭水化物代謝関連酵素の活性の変動を調べた。 1)上位葉鞘では、出穂前20日頃からデンプル蓋積が急増し、下位葉鞘の3-4倍にも達した。しかし出穂と同時に減少し、穂における収量形成に貢献していることが示唆された。 2)スクロースもデンプンと非常に似た変化を示し、スクロースも貯蔵炭水化物としての役割を果たしていると考えられたが、グルコースとフルクトースについては、そのような役割はないと考えられた。 3)炭水化物代謝に関連するスターチシンターゼ、ブランチングエンザイム、スクロースシンターゼ活性上位葉で高く、下位葉で低いというデンプン蓋積と同様な傾向が認められ、これらが1)、2)で見られた炭水化物の消長と関係しているものと考えられた。 4)特にスクロースフォスフェートシンターゼ活性は、出穂期に一時的に急増することから、貯蔵炭水化物の穂への転流と最も強く関連しているものと考えられた。 5)これら酵素の活性は、植物体を異なる光強度のもとで生育させると強光条件ほど高くなる傾向を示し、光合成産物の供給量によって制御されているものと考えられた。 II.ダイズにおけるシンク器官である花・莢の脱落率(落花・落莢率)と光合成産物供給量およびホルモンレべルとの関係を調ベた。 1.落花・落莢率は、光合成産物の供給速度と密接に関係していた。 2.同時にインドール酢酸、アブシジン酸レベルによる制御も行われており、光合成産物ホルモンレべルの相互作用によるシンク容量決定機構が示唆された。
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