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1994 年度 実績報告書

作物の各器官におけるシンク・ソース機能に関する生理・生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04404007
研究機関東京大学

研究代表者

石井 龍一  東京大学, 農学部, 教授 (00011958)

研究分担者 佐々木 治人  東京大学, 農学部, 助手 (60225886)
山岸 徹  東京大学, 農学部, 助教授 (50143409)
キーワードイネ / デンプン / 光合成産物 / 炭水化物代謝 / シンク容量 / Q酵素 / Oryza sativa
研究概要

本年度は大きく分けて葉鞘における一時的シンク容量に関する実験と穂における最終的シンク容量に関する実験との2種の実験を行い、次のような結果を得た。
I.葉鞘に関する実験
昨年までの実験において、葉鞘におけるシンク容量に関わるキ-酵素(Q酵素)が葉鞘へのショ糖の供給によって発現することが示唆されていたので、今年度は、葉鞘に対して人為的にショ糖を供給し、デンプン含量と各種の炭水化物代謝関連酵素の活性がどう変化するかを調べた。すなわち、植物体から切離した葉鞘片を異なる濃度のショ糖液につけ、デンプン含量と酵素活性を調べたところ、溶液中のショ糖濃度が高くなるにつれてデンプン含量が高くなると同時に、Q酵素、ADPグルコースピロフォスフォリラーゼ活性も高くなっていた。こうしたことから、光合成産物の転流形態であるショ糖の葉鞘に対する供給量によって、これら酵素の発現が抑制されていることが示された。
II.穂に関する実験
まず1次枝梗頴花とのデンプン蓄積パターンを調べた。その結果、2次枝梗頴花ではデンプン蓄積の開始時期が遅れるものの、デンプンの蓄積速度そのものには1次枝梗頴花と差がないことが分った。こうしたデンプン蓄積過程における1次枝梗頴花と2次枝梗頴花との差には、やはりQ酵素とADPグルコースピロフォスフォリラーゼ活性がよく対応しており、穂という光合成産物の最終的なシンク器官においても、Q酵素がデンプン蓄積の制御に重要な働きをしていることが分った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] R.Ishii: "Physiological sink capacity under different environmental and physiological conditions in rice" US-Japan Binational Seminar “Environmental Stress and Photosynthesis-Physiological and Molecular Approaches". 99-101 (1994)

  • [文献書誌] 石井龍一編: "植物生産生理学" 朝倉書店, 165 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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