研究課題/領域番号 |
04404011
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大里 正一 東京大学, 農学部(林), 教授 (30011935)
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研究分担者 |
高橋 郁夫 東京大学, 農学部(林), 助手 (70012086)
有沢 浩 東京大学, 農学部(林), 助手 (00012089)
倉橋 昭夫 東京大学, 農学部(林), 講師 (80012087)
山本 博一 東京大学, 農学部(林), 助教授 (70174810)
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部(林), 助教授 (20192255)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 亜寒帯林 / 森林衰退 / 水ストレス / GPS(汎地球測位システム) |
研究概要 |
東京大学北海道演習林(亜寒帯林)におけるエゾマツ・トドマツの衰退現象は、1981年の台風15号の被害を受けた林分に多くみられ、台風の被害を免れた林分にはあまりみられない。そこで、これらの衰退林分と健全林分において、調査木を選定し、衰退度の評価と水分生理状態の測定をおこなった。 水分生理状態の指標としては、日中の水ポテンシャルおよび葉の水分生理特性値(φw^<(tlp)>、φs^<(sat)>、ε)を用いることとした。水分生理特性値はプレッシャーチャンパーを用いて測定した。 日中の水ポテンシャルは、衰退林分の個体では健全林分の個体に較べて明らかに低く、また衰退林分の個体はより強い水ストレス下にあることを示した。衰退林分において観測期間中に枯死した1個体は、-2OMP_2以下の最も低い値を示した。 φw^<(tlp)>、φs^<(sat)>の値も、衰退林分の個体では健全林分の個体よりも低い値を示し、衰退林分の個体は継続的な水ストレス下にあることを示した。 以上の結果より台風の被害により林分レベルの微気象に変化を生じ、残存するエゾマツ・トドマツの個体に水ストレスが生じたことが、衰退の主な要因と思われる。本研究で用いた水分生理特性値の測定は、衰退現象の解明および今後の予測に有効なものと考えられる。 2.林内におけるGPSによる高精度の位置測定をおこなうため、東京大学北海道演習林においてディファレンシャル法による測位実験をおこなった。ディファレンシャル法のうち最も高精度の干渉測位法では1m以下の精度で、それ以外の手法でも数m〜10m程度の精度で測位が可能であるが、単独測位と比較すると作業効率が悪く1/3〜2/3程度となった。
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