研究課題/領域番号 |
04404014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石田 祐三郎 京都大学, 農学部, 教授 (20026488)
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研究分担者 |
山口 峰生 水産庁南西海区水産研究所, 赤潮環境部, 主任研究官
古澤 巌 京都大学, 農学部, 教授 (10026594)
吉永 郁生 京都大学, 農学部, 助手 (40230776)
左子 芳彦 京都大学, 農学部, 講師 (60153970)
内田 有恆 京都大学, 農学部, 助教授 (50027190)
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キーワード | 麻痺性貝毒 / アレキサンドリウム属 / ギムノディニウム属 / サキシトキシン / DNAプローブ / 有毒渦鞭毛藻 |
研究概要 |
本研究は有毒渦鞭毛藻Alexandrium属やGymnodinium catenatumの生産する麻痺性貝毒(PSP)の生合成や転換に関わる酵素とその遺伝子を解明し、DNAプローブの開発により迅速かつ高感度のモニタリングにより貝毒防止のための一助となることを目的として行なう。本年度の研究は、PSP硫酸基転移酵素の検索・精製と有毒種を識別可能な遺伝子領域の特定に重点を置き下記のような研究実績を得た。 (1)大船渡湾産のA.tamarense、浦ノ内湾産のA.catenellaおよびスペイン、ビゴ湾産のG.catenatumの大量培養を行い、藻体を破砕後硫安処理を行いDEAE-セルロースカラムにかけたところ、A.catenellaおよびG.catenatumの吸着画分にSTXからGTX5を、またGTX2+3からC_1+C_2を生じる硫酸基転移活性を見い出した。他の基質(neo STX,GTX1+4)に対しては活性が認められなかった。最大の活性を示したG.catenatumについては、MonoQ,Superose 6により精製を進めたが、電気泳動的にはまだ数本の蛋白バンドが認められた。本活性は硫酸基供与体としてPAPS(3'-phos-phoadenosine 5'-phosphate)に依存し、反応にMg^<2+>を要求した。また分子量は約120kDaで、反応の至適pHは6.0、至適温度は35℃であった。 (2)A.tamarenseおよびA.catenellaから全DNAの分離・精製法を確立し、近年分子系統分類に用いられる5.8SrDNAとそのスペーサー(ITS)領域をPCR法により増幅し、クローニング後多くの株でシーケンスを行い比較検討を行った。その結果、本領域とりわけITS領域には種内変化は殆どないが種間においては多くの塩基置換が起こっていることから、種特異的な塩基配列を含むことが強く示唆された。そこで現在他のAlexandrium属においても本領域のシーケンスを行っており、有毒種に特異的なDNAプローブとして極めて有力と考えられる。
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