研究課題/領域番号 |
04404015
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古在 豊樹 千葉大学, 園芸学部, 教授 (90081570)
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研究分担者 |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 助教授 (60092087)
富士原 和宏 千葉大学, 園芸学部, 助手 (30211535)
北宅 善昭 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (60169886)
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キーワード | LED / 植物組織培養 / 苗生産 / 照明 / バレイショ |
研究概要 |
植物組織培養を用いた苗生産において、培養室の空調および照明用電力費を軽減すると同時に、培養小植物体の生長および形態を制御することを目的として、長波放射が少なく、光質の制御が可能な発光ダイオード(LED)を光源として用いる照明システムについて検討した。 1.赤色LED下でバレイショ小植物体を培養し、その生長および形態を蛍光灯下でのそれらと比較した。蛍光灯下に比べて、赤色LED下では、小植物体の生体重および乾物重は約1/2、茎長は約2倍となり、生長は抑制され、徒長した形態となった。また光合成も抑制された。 2.赤色LEDと蛍光灯を組み合わせて光源とし、光合成有効光量子束密度(100μmol m^<-2>s^<-1>)に占める赤色波長域(630〜690nm)の光量子束密度の割合(R)を変えて、バレイショ小植物体を培養した。Rが0.1〜0.5の範囲では、Rの増加にともない生体重および乾物重は増加する傾向を示し、また葉内クロロフィル含量が増加した。しかしRが0.5を越えると、生長は抑制され、葉内クロロフィル含量は減少した。 3.赤色光と遠赤色光の比が培養小植物体の形態に影響すると考えられるので、赤色LEDと蛍光灯に遠赤色LEDを加えて光源とし、赤色光と遠赤色光の比(R/Fr比)の比を変えて、バレイショ小植物体を培養した。生体重、乾物量は、R/Fr比の増加にともない、R/Fr比10付近まで増大し、15付近から減少した。茎長は、R/Fr比の増加にともない、R/Fr比10付近まで減少し、15付近から増大した。R/Fr比は培養小植物体の生長および形態に影響を及ぼすことが明らかとなった。 4.以上、光源にLEDを用いると、培養小植物体の生長および形態を制御できることが明らかになった。
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