研究課題/領域番号 |
04404019
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 正一 北海道大学, 獣医学部, 教授 (10143314)
|
研究分担者 |
升田 真木彦 北海道大学, 獣医学部, 助手 (00001719)
数坂 昭夫 北海道大学, 獣医学部, 助教授 (00002113)
|
キーワード | 植物葉緑体 / 異物代謝 / シングレットオキシジェン / モクズガニ / P-450 / 環境評価 / ミンク / P-4502Dサブファミリー |
研究概要 |
1、植物の葉緑体による異物代謝の研究から、有機溶媒中で葉緑素と基質が光存在下で高い効率で脱メチル化を受けること、脱メチル化にはシングレットオキシジェンが関与していることが分かった。葉緑体による異物の解毒と代謝的活性化の研究に重要な発見である。 2、日本をはじめ、アジア地域に広く分布しているモクズガニのP-450レベルおよびその活性が河川の汚染度の指標となる可能性が示された。日立利根川、石狩川、茨戸川、尻別川より得たモクズガニの肝膵臓P-450含量は各河川のベンズピレン濃度に良い相関を示した。P-450は全ての哺乳類に存在すると考えられ、この酵素が汚染の指標になることは環境評価の上から重要である。 3、ミンクはP-450含量が他のイヌ上科の動物よりはるかに低く、ミンクがPCB等の汚染に弱い事実と関連がありそうである。このような対応関係は汚染に強い動物と弱い動物の予測に重要な意味を持つ。 4、ミンクはプロプラノロール7位水酸化酵素であるP-450BTL含量が極めて低く、それに対応して7位水酸化活性も無視できるほどの活性しかなかった。プロプラノロール代謝活性である程度P-450分子種レベルの予測が可能なことが示された。 5、イヌの肝臓より異物を高い親和性で代謝するP-450分子種を精製した。N-末端のアミノ酸配列はP-4502Dサブファミリーのそれと一致した。
|