研究課題/領域番号 |
04404022
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 医学部, 教授 (00126054)
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研究分担者 |
小坂 克子 九州大学, 医学部, 助手 (60202058)
秋鹿 祐輔 九州大学, 医学部, 助手 (50021415)
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キーワード | GABA / カルシウム結合蛋白 / ニューロン / 大脳皮質 / 定量解析 / モルフォメトリー |
研究概要 |
GABAニューロン及びその一つのサブポピュレーションと考えられるPV含有ニューロンの大脳皮質での密度、層別の分布等を明らかにするためdisectorによる定量解析を行なった。disectorは一定間隔離れた二つの面(reference planeとlookup plane)で、reference planeに断面が見え、lookup planeには断面が見られない粒子、すなわち両者の間の空間にその粒子の端があるものだけを数えることで、バイアスなく粒子数、密度が測定できる方法である。本研究では1.5μm離れた2枚の0.5μm準超薄切片をpairとしてtoluidine blue(TB)染色し、解析を行なった。そしてdisectorで数えた細胞の化学的性質を、reference切片に隣接する3枚の切片にそれぞれ抗GABA抗体、抗PV抗体、抗S-100β蛋白抗体の包埋後免疫細胞化学を適応することで同定した。 体性感覚野のTB染色標本で抽出された細胞のうち64%がニューロン、36%がグリアであった。ニューロンのうち25%がGABA陽性細胞であった。また13.5%がPV陽性細胞であったが、これはすべてGABA陽性でもあり、GABA陽性細胞の54%を占めた。グリアの52%はS-100β蛋白陽性のアストロサイトであった。 体性感覚野におけるニューロン密度は59.4x10^3/mm^3、GABA陽性細胞は13.8x10^3/mm^3、PV陽性細胞は7.5x10^3/mm^3であった。GABA陽性細胞の密度はIV層で最も高く(22.6x10^<3/>mm^3)、ここではGABA陽性細胞の75%はPV陽性であった。PV陽性ニューロンの密度には層によって大きな違いがみられた。すなわち、PV陽性細胞はI層にはなく、IV層には他の層に2-4倍もみられた。これに対し、PV陰性のGABA陽性細胞はI層からVI層まで比較的一様に分布していた。
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