研究課題/領域番号 |
04404022
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 医学部, 教授 (00126054)
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研究分担者 |
福田 孝一 九州大学, 医学部, 助手 (50253414)
樋田 一徳 九州大学, 医学部, 助手 (40253405)
小坂 克子 九州大学, 医学部, 助手 (60202058)
秋鹿 裕輔 九州大学, 医学部, 助手 (50021415)
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キーワード | カルシウム結合蛋白 / parvalbumin / GABA / 免疫電顕 / 定量解析 / stereology / ニューロン / 海馬 |
研究概要 |
本年度は主に海馬カルシウム結合蛋白parvalbumin(PV)含有細胞について2種の定量解析を進めた。第1は神経細胞内でのPVの局在及び、各部位でのPV濃度を明らかにするため、コロイド金(直径15nm)標識二次抗体を用いた、いわゆるコロイド金免疫電顕で解析した。電子顕微鏡に設置したTVカメラにより直接倍率1万5千倍、最終倍率9万倍でパーソナルコンピュータに画像を取り込み、モニター上でPV細胞及び他の細胞の各部位を同定し、単位面積(1mum^2)当たりのコロイド金粒子数を測定した。コロイド金免疫電顕におけるコロイド金密度と抗原密度との相関について調べる目的で、既知量のPVを含有している標準試料を作製した。コロイド金密度(粒子数/mm^2)は細胞体及び樹状突起で9‐14、軸索及び軸索終末23‐27であり、以前解析した小脳purkinje細胞と同様に、明らかに細胞内におけるPVの濃度差があった。PV標準試料のCalibration curveに基づいてPV濃度を細胞体樹状突起では約25muM、軸索及び終末部では約75muMであろうと推定した。第2は、disector法による海馬CA1領域でのPV含有細胞及びGABA陽性細胞の密度、全神経細胞における割合、層別分布等についての定量解析である。今回のdisector定量解析により海馬CA1領域ではGABA細胞と考えられる神経細胞群は2500/mm^3であり全神経細胞の約7%であることが明かとなった。これらの所見は前年度我々が解析した新皮質(体性感覚野)に比較して海馬CA1領域ではGABA細胞の密度(約1/5)、割合(約1/3)ともかなり低いことを示している。
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