研究課題/領域番号 |
04404022
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小坂 俊夫 九州大学, 医学部, 教授 (00126054)
|
研究分担者 |
福田 孝一 九州大学, 医学部, 助手 (50253414)
樋田 一徳 九州大学, 医学部, 助手 (40253405)
小坂 克子 九州大学, 医学部, 助手 (60202058)
秋鹿 祐輔 九州大学, 医学部, 講師 (50021415)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | GABA / カルシウム結合蛋白 / 神経細胞 / ステレオロジー / 免疫細胞化学 / 海馬 / 嗅球 / 皮質 |
研究概要 |
本研究の目的は系統発生的に異なる広義の大脳皮質の幾つかの部位において、化学的性質、三次元形態的特徴、シナプス結合の全体像を明かにすることで、従来のニューロンタイプの分類を考え直し、新たなニューロンタイプの分類を創り上げ、それに基づく各部位のニューロン構成を明らかにすることである。特にpaleocortexである嗅覚1次中枢嗅球における局所回路ニューロン、archicortex海馬及び、新皮質体性感覚野のGABAニューロンについての電子顕微鏡、光学顕微鏡及び共焦点レーザー走査顕微鏡を用いたサブポピュレーション解析更に、disector による定量解析を進めた。 1.嗅球外網状層カルシウム結合蛋白parvalbumin含有細胞 カルシウム結合蛋白parvalbuminPVは生理学的にfast-spiking neuronという特徴あるニューロン群に特異的に含まれていると考えられている。PVは嗅球においては非常に選択的に外網状層のGABAニューロンの一部に局在し、しかもそれらが形態的には少なくとも5タイプ以上のニューロン群に分類できた。その内いくつかはこの免疫細胞学的解析により始めて見いだされたタイプであった。更に、PV含有ニューロンを光学顕微鏡で観察後、連続超薄切片を作成し電子顕微鏡でシナプス結合を中心に解析した。その結果、従来他のGABAニューロンと主ニューロンとの間にしか存在しないとされていた相反性シナプスreciprocal synapseをPV含有ニューロンも主ニューロンとの間に形成していることが明かとなった。このことは電子顕微鏡レベルでの神経突起の同定が従来考えられていたほど確実ではなかったことを示唆しており、従来のデータそのものの再検討が必要になると考えられる。 2.体性感覚野及び、海馬皮質でのdisector解析 0.5μm厚の連続準超薄切片を用いdisectorにより体性感覚野及び、海馬CA1野各層での全ニューロン、GABAニューロン、PV含有ニューロンの密度、割合を明らかにした。部位及び、層のニューロン構成の差異が明らかになり、特に、海馬皮質のGABAニューロンが新皮質に比べ非常に密度が低く、割合的にも極めて低いことが明かとなった。
|