研究課題/領域番号 |
04404025
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
村松 正實 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10035454)
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研究分担者 |
鈴木 利哉 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90216416)
山本 一男 埼玉医大学, 医学部, 助手
牧野 泰孝 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20240989)
田村 隆明 千葉大学, 理学部, 教授 (30112692)
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キーワード | rDNA / RNAポリメラーゼI / UBF / 核小体 / HMG-box / 転写因子 / NLS / 酸性ドメイン |
研究概要 |
1 マウスUBF(mUBF)の核小体局在化機構の解析 mUBFが核小体に濃縮される機構を知るため、mUBFの各種ドメインを欠いた変異体を作りこれをβがクラトシダーゼと融合させてcos7細胞で発現させた。坑βがラクトシダーゼ抗体によってこれら変異体の核小体への集績を調べた所、次の事が明らかとなった。1)mUBFは核移行シグナル(NLS)をHMGbox4の中に持つが、これのみでは核へは入るが核小体へは移行しない。2)mUBFのHMGbox1とC末の酸性ドメインの両者が核小体移行に必要である。3)mUBF変異体のUCE(上流制御要素)との結合性と核小体集績性との問には密接な正の相関があり、mUBFはNLSによって核へ移行した後、HMG-box1と酸性ドメインによるrDNA(+SLI)への強い親和性によって核小体に集績するものと考えられる。 2 増殖が抑制された細胞中のRNAポリメラーゼI阻害因子の存在。血清除去又は増殖後静止期に入ったFM3Aマウス乳癌細胞の抽出液中にrDNA転写を特異的に阻害する因子を見出した。これは転写開始複合体の形成後の或る段階を阻害するものらしい。 3 マウスRNAポリメラーゼI(PolI)のサブユニットRPA40およびPolIに結合した因子PAF53のクローニングとその解析。 新しいPolI精製法を開発し、マウス細胞より精製した所、マウスPolIは2つの大サブユニットと10以上の小サブユニットから成立つことがわかった。このサブユニットは酵母のそれとよく一致し、PolIが進化上極めてよく保存されている事が証明された。一方、PolIに結合して働く分子量53KDの因子(PAF53)をクローン化した。これは、PolIと結合してrDNAの特異的結合を促進する作用を有するものと考えられる。
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