研究課題/領域番号 |
04404025
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
村松 正實 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (10035454)
|
研究分担者 |
鈴木 利哉 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (90216416)
山本 一男 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70255123)
禾 泰壽 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (60101937)
|
キーワード | RNAポリメラーゼI(PolI) / PAF53 / 転写因子 / rDNA / UBF / PIN / ERCC3 / ペレット転写法 |
研究概要 |
1.マウス精製PolIに含まれる53KDのタンパク質をクローン化し、PAF53(Polymerase associated factor 53)と名付けた。PAF53は434アミノ酸から成り、今迄に知られた転写因子のモチーフは持っていないが、マウスの切出修復に関与する遺伝子と考えられるERCC3の産物と部分的に有意のホモロジーが認められた。PAF53に対する抗体はIn vitroの転写系で非特異的DNAの転写は抑制しないが、rDNA上のプロモーターによる特異的転写開始を強く阻害する。又ラベルした分子による結合実験でPolIの転写促進因子を一つであるUBF(upstream binding factor)と相互作用を営むことが見出された。従ってPAF53はPolIとUBFの間で働いて転写開始に重要な役割を果たす因子であると考えられる。 2.定常期又は血清欠乏状態のマウス培養細胞FM3Aの核内に、rDNAの転写を抑制する因子を見出しPIN(PolI transcription inhibitory activity)と名付けた。この作用はPolIによるrDNAの転写に特異的であり、PolIIの系には働かないことからも単なるヌクレアーゼの様なものではない。この因子は細胞に血清を与えて増殖期にすると速やかに消失する。ゲルシフトとペレット転写法による解析によると、PINは転写開始複合体の形成は阻害しないが、そこから先のPolIの転写開始自体を抑制するようである。
|