研究課題/領域番号 |
04404027
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊 佳之 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10112327)
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研究分担者 |
程 肇 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00242115)
服部 正平 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (70175537)
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キーワード | アミロイドーシス / アルツハイマー病 / トランスサイレチン / ベータ・アミロイド / トランスジェニックマウス / 三次元構造 / 遺伝病 |
研究概要 |
アミロイド沈着を伴う家族性アミロイドーシス(FAP)及びアルツハイマー病(AD)についてアミロイドの沈着メカニズムについて検討を加えた。FAPについてはその病因タンパクであるTTRのMet-30型を大腸菌で大量生産し、それを結晶化した。X線結晶解析をオックスフォード大学のグループと共同研究で行った。その結果10番目のシステイン残基が正常では57位のアミノ酸と水素結合しているがMet-30型ではフリーになり分子の外側へシフトしていることが判明した。我々はこのCysを介した分子間のS-S結合の形成がアミロイド形成の最初のステップではないかと考えている。現在この仮説を実験的に証明するためにトランスジェニックマウスを作成中である。 ADのアミロイドについては昨年度に見い出された717位にVal→Ile変異を持つAPPを生産するトランスジェニックマウスを作成した。APP751全体及びC末100アミノ酸残基のペプチドをコードするDNAをニューロン特異的エノラーゼのプロモーターに結合したコンストラクトを用いた。数系統のマウスを作成し、トランス遺伝子の発現をmRNA及びタンパク質レベルで調べたところ、mRNAはendogenousの3分の1程度のレベルで脳に特異的に発現していた。ウェスターンブロッティング法で調べたタンパクの合成はendogenousの10分の1またはそれ以下であった。これらの系統の病理学的解析を進めているが生後1年以内では全く異常は認められなかった。この他にAPP遺伝子のexon、7、8が神経細胞でのスプライシングではスキップすることが知られているが我々はmimi遺伝子を用い、exon8の上流の60塩基配列が重要であることを示した。
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